町工場の展示会活用と2020年問題(2)

おはようございます^^
展示会活用アドバイザーの大島節子です。

連日30度を越えるようになってきましたね。いよいよ夏です。そんな早朝の大阪から今朝もブログをお届けします。

開催時期をずらすことで何が起こるのか

昨日から「町工場の展示会活用と2020年問題」というタイトルで、オリンピックの前後の期間中東京ビッグサイトがメディアセンターとして使われるため、展示会ができなくなるいわゆる“2020年問題”が日本の中小製造業の展示会活用に与える影響について連載形式で書いています。

これまでの記事はこちら
>>町工場の展示会活用と2020年問題(1)

日本ものづくりワールドは中止にはなりませんが、2019年は2月に東京ビッグサイトで縮小開催。2020年は2月に幕張メッセで縮小開催されることが決定しました。

そのことによって起こる問題は下記のとおりです。

1.“年度”問題

先日の記事にも書きましたように、日本ものづくりワールド内の特に機械要素技術展は自治体による合同出展ブースが異常に多い展示会です。展示面積の大半を合同出展ブースが占めます。しかし、多くの自治体は予算を“年度”で確保しており、2019年2月は2018年度内なので、次回出展するとなると年度内に2回出展することとなり、その予算を確保することは自治体のシステム上大変難しいそうなのです。
自治体の皆さんに聞いてまわったところ、ほとんどが「次回の出展は見送り」との回答でした。ごく一部の自治体が次回も出展する方向と応えられましたが、体感的には1割ない印象でした。
自社で出展するとなると結構な経費がかかるので、自治体の合同出展があるから出展する、という中小製造業も多いので、このことはかなり出展社減につながると予想されます。

2.MEDIX外される問題

ヘルスケア医療機器開発展=MEDIXは毎年日本ものづくりワールド内で開催されてきました。MEDIXに出展される企業の多くは医療系のお客様との出会い半分、機械要素技術展の集客力をあてにした部品加工系のお客様との出会い半分くらいの感覚を持っていらっしゃいます。しかし、2月開催となると、毎年大阪で開催されるメディカルジャパン大阪内で開催される関西版MEDIXと日程がかぶってしまうため、外さざるをえなくなってしまうんですよね。これは本当に気の毒です。

※MEDIXは2019年は10月に幕張で、2020年も10月に幕張で開催されます。

3.縮小問題

具体的には次回2019年2月開催時は東ホール1~3は使わず、出展者数は今回の2500社から2000社程度に縮小されるそうです。単純に展示面積が小さくなり、出展者数も減ることから来場者数も減少が予想されます。縮小開催の理由をリード社の社員さんに聞いたところ、オリンピック準備で東1~3は使えないから、との回答でしたが、公式にアナウンスされている東ホールが使えない期間は2019年4月からなので、辻褄が合わずほんとのところはどうなんだかよくわかりません。自治体ブースが軒並み出展を見送るから縮小せざるとえないんじゃないか、という声もあります。

元はと言えば、すべて東京都が東京オリンピックの期間、東京ビッグサイトをメディアセンターとして使用すると決めたことが発端で、展示会に関わるたくさんの人が影響を受けているわけです。

この問題と対応策について出展企業や自治体はどうとらえているのでしょうか。実際に、出展されている方々に来年以降の出展予定について聞いてみました。それについては明日以降の記事にまとめます。

まとめ

今朝のブログは町工場の展示会活用と2020年問題(2)でした。

今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子

展示会活用アドバイザー展活
1975年 大阪市生まれ。1998年家業マルワ什器入社。2001年、26歳のときに売上の95%以上を占める得意先が倒産する、という人生の試練を経験。連鎖倒産の危機を回避し家業を立て直す過程で多くの展示会現場に携わる。これまで関わってきた1000件を超える展示会経験を元に2012年展示会情報サイト「展活」を開設。2013年からは展示会セミナーの講師として活動開始。登壇回数200回以上、指導人数6,000人以上の実績。展示会初出展企業にも具体的でわかりやすい指導が好評を得ている。