「教育化」ビジネスモデルの相性

おはようございます^^
展示会活用アドバイザーの大島節子です。

日に日に寒くなってくる上に空気が乾燥しているので、こういう時期は喉をやられやすいですね。気をつけないと。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。

「中小企業後継者」と相性ばっちり、という仮説

一昨日「課題解決の先にあるもの」というタイトルで『リアルビジネス3.0 あらゆる企業は教育化する』という本を紹介しつつ、教育化をテーマにした記事を書きました。今朝の記事は更に教育化を掘り下げて考えてみたいと思います。

私はこの本を読んでみる気になったのは直感的に「この本は展活のお客さんに役立ててもらえることが必ず書いてあるだろう」と感じたからです。私のセミナーに来てくださってその後もお付き合いが長く続く方は圧倒的に中小企業の後継者が多いのですが、それは私も後継者だから、ということと関係があると思うのです。

実際、読んでみるとBtoB部門では8社中6社が後継者社長でした。“教育化”は中小企業後継者の特性と相性が良いと思います。そう思う根拠は下記のとおりです。

時代

高度成長期に創業された企業はそろそろ2代目から3代目に社長が交代される時期です。おじいさんの時代はモノは作れば売れたので売り買いをしていれば儲かりました。お父さんの時代はバブル崩壊後の長い不景気が続いたのでサービスで売る時代でした。そして自分の代は人口減少時代。サービスの更に先を考える必要がある時代です。それが“教育化”だと気付いた人がはじめているのでは、と。

後継者⇒一番子(長子)⇒教えるのが得意で戦うのが苦手

一般的に会社を継ぐのは長男である場合が多いですよね。最近は女性社長も増えてきましたがそこを含めたとしても一番子(長子)であることが多いです。一番子は子供の頃から下の弟妹に教える立場にあるので、教えることに抵抗がない人が多いように思うのです。そして子供の頃から弟妹に何でも譲ってきたので戦うのが苦手です。人のものを奪ってまで自分のものにしたいという欲求がありません。

そういった一番子の特性と“教育化”は相性が良いと思うのです。『リアルビジネス3.0 あらゆる企業は教育化する』で事例紹介されている広島の酒商山田の社長は他店の顧客を奪うような戦いをやりたくないから“教育化”のほうへ舵を切ったそうです。他店が顧客と思っていないような層を顧客とする。要するに新しいマーケットを作り出すために必要なもの、それが教育化なんですよね。

ただ、私が思うのは“教育化”という言葉の危うさです。概念として“教育化”という方法論を持つのは良いと思うし、本書を書かれた日経BPさんのようにジャーナリスト的な立場にいる人が使う言葉としてはOKだと思うのですが、実際に企業が“教育化”という言葉を使うのはどうなのでしょうね。上から目線を感じませんか?

もちろん顧客に対して自分たちが“下”だと思っている限りこのステージには行けません。しかし上から目線も絶対にダメです。お客さんはそう感じた時点でシャッターを閉めてしまわれます。そうではなくて手間を惜しまずにお客さんの欲求を満たそうとする真摯さと努力の先にある場所がこのステージで、両者は対等でなければなりません。

何か企業側が使う言葉として適切な“教育化”に代わる言葉が見つかればよいのですが。

まとめ

今朝の展活タイムズは「教育化」ビジネスモデルの相性というタイトルで“教育化”について更に掘り下げて考えてみました。

今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子

展示会活用アドバイザー展活
1975年 大阪市生まれ。1998年家業マルワ什器入社。2001年、26歳のときに売上の95%以上を占める得意先が倒産する、という人生の試練を経験。連鎖倒産の危機を回避し家業を立て直す過程で多くの展示会現場に携わる。これまで関わってきた1000件を超える展示会経験を元に2012年展示会情報サイト「展活」を開設。2013年からは展示会セミナーの講師として活動開始。登壇回数200回以上、指導人数6,000人以上の実績。展示会初出展企業にも具体的でわかりやすい指導が好評を得ている。