展示会ブースをDIYするときの注意点

おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。

10月最終日。雨のお天気。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。

予算がない→ならDIYだ!(それはそれで大変なのよ…)

「展示会のブース、格好良くしたいけどプロに頼むと予算が…」 「かといって、自分たちで作るとショボくなってしまいそうで…」展示会の準備を進める中で、多くの中小企業がこのジレンマに頭を悩ませています。

予算がないなら DIY(Do It Yourself=自分たちでやる)もありです。ただ自分たちでやるのはそれはそれで大変。料理や日曜大工と同じ。自分でやるには知識が必要だし、時間がかかります。そして料理や日曜大工と違って指導書がない!(笑)今日は展示会版DIYを行う際に知っておきたいポイントを解説します。

一体、何に一番お金がかかっているのか

まず展示会のブース装飾費、一体何に一番お金がかかっていると思いますか?

実は最も大きな割合を占め、かつ価格を大きく左右するのは「デザイン費」です。壁面グラフィックのデザイン、説明パネルのレイアウト、キャッチコピーの見せ方…。これらをプロのデザイナーに依頼し形にするための費用が、装飾費を押し上げる最大の要因となっています。

ということは…?

もし、この「デザイン」を自社で内製化できれば(例えば、社内にデザインが得意な方がいる、あるいは社長自身がデザインソフトを使えるなど)、装飾費は劇的に抑えられます。そして、その内製化したデザインを、自分たちの手で形にする手段が「DIY」なのです。

「DIY = デザイン費を内製化し“見せ方”の工夫に自分たちの時間と労力を投資する方法」と捉えてみてください。

低予算DIYブースアイデア

アイデア①:壁面は「布」で劇的に変わる!

殺風景なシステムパネル(レンタル壁)に、デザインを印刷した布=タペストリーを掛けると、ブースはまるで壁面加工を施したような見た目になります。設置も比較的簡単。ここでのポイントは、生地選びとデザイン。そして何より必ず「防炎認定品」を使いましょう。(理由は後述します)

アイデア②:自家製展示台でおしゃれに展示

ホームセンターで手に入る木材を活用してシンプルな棚をDIYすると、自由自在に展示スペースを構築することができます。製品サンプルを自由に触ってもらうコーナーなども、特別な什器がなくても工夫次第で作れます。

アイデア③:「照明」はケチらないで!

スポットライトをいくつか用意し、社名ロゴや主力製品に光を当てることでプロっぽく、そして製品が魅力的に見えます。

アイデア④:手作り感も「味」になる!インタラクティブ要素

以前紹介した「シールアンケートボード」などは、まさに低予算DIYの好例です。来場者が気軽に参加できる「手作り感」のある仕掛けは、むしろ親近感を生み、会話のきっかけを作ってくれます。

ちょっと待った!DIYブース、3つの“落とし穴”と対策

DIYは一歩間違えると逆効果になったり、最悪の場合ルール違反でペナルティを受けたりすることも…。必ず守ってほしい注意点です。

落とし穴①:「燃えるブース」になっていませんか?

展示会場には消防法規があります。壁面に使う布、木材、これらは原則として「防炎認定」を受けている素材を使う必要があります。ホームセンターで安価に手に入るベニヤ板や、手芸ショップで買える布などは、ほとんどが非対応です。
【対策】 素材購入時や制作会社への発注時に、必ず「これは防炎認定品ですか?」と確認してください。先日書いた防炎規定の記事で紹介した「防炎シール」の有無をチェックしてください。

落とし穴②:「手作り感」が「安っぽさ」になっていませんか?

DIYの良さは温かみですが、それが単なる「素人っぽさ」「安っぽさ」に見えてしまっては逆効果。会社の信頼に関わります。
【対策】 デザインの基本(色の統一感、文字の読みやすさ、情報の整理)は最低限守りましょう。

落とし穴③:「時間」という最大のコストを見落としていませんか?

DIYは、材料費は安くても企画・設計・製作・運搬・設営にかかる「時間」と「労力」は膨大です。
【対策】 社員さんたちが本来の業務を止めてDIY作業に当たる人件費(=時間コスト)を考えたら、本当に安上がりなのか?事前に検討し無理のない範囲で行うことが大切です。現場での設営時間は限られています。簡単に組み立て・撤収できる設計にしておくことも、DIY成功の重要なポイントです。

まとめ

ブース装飾費の大部分を占める「デザイン費」。これを内製化し、DIYという手段で形にすれば、予算がなくても、来場者の心に残る素敵なブースは作れます。

しかし忘れてはいけないのは展示会は多くの人が集まる「公の場」であるということ。安全規則(特に防炎)を守り、来場者に不快感を与えない「最低限のデザイン品質」を保つことは、出展者としてのマナーです。

想いを込めた「自社デザイン」に、しっかりとしたルール遵守の意識を加えて、あなたの会社の魅力を最大限に伝えるブースを作り上げてください。応援しています。

今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子

展示会活用アドバイザー展活
1975年 大阪市生まれ。1998年家業マルワ什器入社。2001年、26歳のときに売上の95%以上を占める得意先が倒産する、という人生の試練を経験。連鎖倒産の危機を回避し家業を立て直す過程で多くの展示会現場に携わる。これまで関わってきた1000件を超える展示会経験を元に2012年展示会情報サイト「展活」を開設。2013年からは展示会セミナーの講師として活動開始。登壇回数300回以上、指導人数10,000人以上の実績。展示会初出展企業にも具体的でわかりやすい指導が好評を得ている。初の著書『展示会を活用して新規顧客を獲得する方法』好評発売中。