展示会での配布資料、何を準備する?
おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。
今日は一日、秋らしい良いお天気になりそう。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。
成果を出す「展示会・配布資料3点セット」の鉄則
展示会ブースでよく見かける残念な光景があります。 それは立派で分厚い「総合カタログ」をブースの前に山積みにしスタッフが来場者に無差別に配っている姿です。
そのカタログ本当に読まれているでしょうか? 何百ものブースを歩き回りすでにカバンがパンパンになっている来場者が、その重たい資料をわざわざ持ち帰り、じっくり読んでくれる可能性は残念ながら高くありません。
かといって、「資料はWebサイトをご覧ください」と何も渡さなければどうでしょう。あなたのブースは会場を出た瞬間に来場者の記憶から消え去ってしまいます。
展示会の成果はこの「配布資料」で大きく変わります。 今日はあなたの会社と製品の魅力を来場者に「確実に持ち帰ってもらう」ための、資料の準備と渡し方について考えてみましょう。
なぜ今でも「紙の資料」が重要なのか?
「いまどき、ペーパーレスでしょう?」と思われるかもしれません。 しかし、こと展示会という「リアルな場」において、「紙」の資料はあなたの会社の「営業マンの分身」として重要な役割を果たします。
理由は2つあります。
- 記憶のフックになる: 会場で浴びるように受け取った大量の情報は、帰社する頃にはほとんど忘れてしまいます。その中で、手元に残る「紙」の資料が、あなたの会社を思い出すための強力な「記憶のフック(手がかり)」となります。
- 社内共有(稟議)で使う: 来場した担当者にとってここからが本番です。上司や他部署に「こんな良い技術があった」と報告し予算を取る必要があります。その際手元にある資料こそが説得力を高め、稟議を通すための「証拠」になるのです。
原則はコレ!成果を出す「配布資料3点セット」と役割
では、具体的に何を準備すればいいのか。 私が常にお勧めしているのは、それぞれ明確な「役割」を持たせた、以下の「3点セット」です。

①集客・認知担当:A4一枚チラシ
- 役割: ブース前を通る「多くの人」に配布し、足を止めてもらうためのツールです。
- 内容: 「誰の」「どんな悩み」を「どう解決できるか」が一目でわかること。あなたの会社の製品・サービスの「最大の魅力」と「問題解決力」を、この1枚に凝縮します。
- <展活TIPS> 実はこのチラシこそ「ブースの設計図」そのものです。ブースの壁面に掲げるキービジュアルやキャッチコピーと、このチラシのデザイン・メッセージを完全に連動させてください。ブースで見た内容がそのまま手元にあることで、来場者の理解のスピードが上がります。
②信用担当:会社案内
- 役割: 「この製品は良さそうだけど、この会社、本当に大丈夫?」という来場者の不安を解消し、「信用」してもらうためのツールです。
- 内容: 企業理念・創業の想い・導入実績・取引先一覧・会社の規模感など。「私たちは、あなたと長期的に真面目にお付き合いできる、信頼に足る会社ですよ」という証となります。
③商談・検討担当:製品カタログ
- 役割: ブースで具体的な話になった「見込み客」が自社に持ち帰ってから、個々の製品の性能やスペックを確認し他社製品と比較・検討するためのツールです。
- 内容: 詳細な仕様、導入条件、価格表など。具体的な商談を次のステップに進めるために必要です。
予算と時間がない!「最低限のライン」と優先順位
もちろん、この3点セットがすべて揃っているのが理想です。 しかし、「全部は間に合わない!」「予算がない!」という切実な声もよく聞きます。
その場合の優先順位はこちら。
- 【最優先:Sランク】A4一枚チラシ これだけは、絶対に作ってください。 これが無いと、あなたのブースの「価値」が来場者の手元に一切残らず、認知すらされずに終わってしまいます。
- 【代用可能:Bランク】会社案内 は最悪、これは「会社の詳細はホームページをご覧ください」とQRコードを案内するだけでもなんとかなります。
- 【次点:Aランク】製品カタログ 具体的な商談には「不可欠」です。しかしこれも最悪の場合「詳細な資料は、御社の課題に合わせた最新のものを、後ほどデータでお送りします」と約束し、個別商談の段階で間に合わせる、という手も使えます。
結論:まずは「最強のチラシ1枚」のクオリティをとことん高めることに、全力を注いでください。
+α できればあったほうが良い資料
もし3点セットに加えて、さらに余裕があれば準備してほしいのが「課題解決事例集」です。
製品カタログが「機能(スペック)」を伝えるものだとしたら、事例集は「お客様がどう成功したか(Before→After)」という「価値(ベネフィット)」を伝えるものです。
具体的な商談の場でこれを見せると、お客様の「ウチと状況が似ている。これならウチでも使えるかも!」という「確信」と「共感」を一気に高めることができます。
効果が上がる資料の渡し方
最後に、最も重要な「渡し方」です。 資料は「誰に」「何を」渡すかを見極めることが命です。
- NGな渡し方: 3点セット(+事例集)をすべてホチキス留めし、ブース前で全員に配ること。これはコストの最大の無駄ですし、重くて捨てられる原因No.1です。
- OKな渡し方(相手の熱量で変える):
- 目を止めた人: まずは「チラシ」だけを渡します。
- 足を止めた人: 会話し興味を持ってくれた人には「会社案内」も渡して信頼感を高めます。
- 具体的な話をした人: 「製品カタログ」や「事例集」を見せながら説明し、検討資料として持ち帰ってもらいます。
まとめ
展示会の配布資料は、「なんとなく」準備するものではありません。 「チラシ(集客)」「会社案内(信用)」「カタログ(商談)」という明確な役割を持たせ、計画的に準備し、相手の熱量に合わせて配布すること。
それがあなたの会社の価値を確実に持ち帰ってもらい成果に直結させるための正解です。
まずはあなたの会社の「問題解決力」が3秒で伝わる「最強のチラシ1枚」作りから始めてみてください。あなたのブースの成果がきっと変わるはずです。
今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子
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