FOOMA JAPAN2025レポ(行ってないけど)

おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。

夜中はかなり激しい雨が降っていました。今日も一日雨予報。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。

食の技術の今と未来が集結

6月10日(火)から13日(金)4日間、東京ビッグサイトでアジア最大級の食品機械の展示会「FOOMA JAPAN 2025」が開催されました。

私は現地での見学は叶わなかったのですが、毎年注目している展示会です。行ってないのでAIに行った風の画像を作ってもらいました(笑)。今回の記事では、まず来場者数の推移からわかるこの展示会の現状。続いて今年のFOOMAアワードや豊富なセミナープログラムから見えてくる食品業界が直面する潮流と課題についてまとめておきます。

来場者数推移から見るFOOMA JAPANの“今”

まず、この展示会の注目度を具体的な数字で見ていきましょう。

● 総来場者数の推移

  • 2019年(コロナ前):100,680人
  • 2022年:92,717人
  • 2023年:106,104人
  • 2024年:113,777人
  • 2025年(今回):110,827人

● 海外からの来場者数推移

  • 2019年:5,134人
  • 2023年:3,178人
  • 2024年:5,541人
  • 2025年(今回):4,569人

来場者数は2023年に早々とコロナ前の水準を上回り、昨年比では微減となりましたが今年も11万人を超える高いレベルを維持しています。 海外からの来場者も昨年よりは少し落ち着いたものの、この展示会が国際的にも注目されていることがうかがえます。

セミナー・アワードから読み解く、食品業界の「4つの大きな潮流」

ではこの展示会で今、何が語られどんな技術が評価されているのでしょうか?今年のFOOMAアワードや、数多くのセミナーテーマから、業界が直面する潮流が見えてきました。

潮流①:深刻な「人手不足」と、それを解決する「自動化・省人化」

最も多くのセミナーで語られていたのが、このテーマです。「省人化ハンドリングシステムの未来」「重い!キツい!単純作業からの解放」といったタイトルが象徴するように、人手不足はもはや慢性的かつ最大の課題です。これに対し各種ロボットやAIによる異物検出など、人と機械が協調する新しい工場の姿が具体的なソリューションとして提示されていました。

潮流②:高度化する「食の安全・衛生管理」への科学的アプローチ

HACCP対応は大前提として、より科学的根拠に基づいた衛生管理が求められています。「食品製造環境のカビ対策」「毛髪対策の定説を覆す」「ダクト診ていますか?」など、非常に具体的で専門的なテーマのセミナーが並んでいました。洗浄剤の化学的な解説や、微酸性電解水の違いの説明など、勘や経験則ではない、効果的で効率的な衛生管理手法が数多く紹介されていました。

潮流③:「環境負荷削減」と「サステナビリティ」という社会的責任

今年のFOOMAアワードを受賞した、株式会社イシダの組み合わせ計量機「CCW-AS」。この製品が高く評価された理由の一つに、従来機比で消費電力を約20%削減した、という省エネ性能がありました。 このように、環境配慮はもはや付加価値ではなく、必須要件となっています。「冷凍設備の電力削減」「脱炭素ロードマップ」「フードロス削減」といったセミナーテーマからも、業界全体の強い意志が感じられました。

潮流④:「フードテック」と「共創」による新たな価値創造

3Dフードプリンター、感性AI、量子技術など、新しいテクノロジーが食の可能性を広げています。 そして、「大手・中堅企業とスタートアップの共創モデル」というセッションが示していたように、新しい技術を持つスタートアップと、製造ノウハウや販路を持つ既存企業との「共創(コラボレーション)」によって、これまでにない製品やサービスを生み出していく流れが加速していることが感じられました。

展活的視点:食品機械・技術の展示会で「伝えるべきこと」

展示会活用アドバイザーとして、この現状をどう見るか。 これからの食品機械・技術の展示会では、単に「うちの機械は毎分〇個作れます」といったスペック競争だけでは、来場者の心には響きにくくなっています。

自社の製品や技術が、先ほど挙げた4つの大きな潮流(①人手不足、②安全・衛生、③環境、④フードテック革新)を軸にそれ以外の課題も含め、どの課題を、どのように解決できるのかを明確に伝えること。 その“問題解決のストーリー”こそが、来場者の足を止め、心を動かすでしょう。

まとめ

FOOMA JAPAN は高いレベルで安定した集客を誇る活気ある展示会です。 人手不足や環境問題など、食品業界が抱える課題は決して小さくありません。しかし会場にはそれらを乗り越えようとする革新的な技術やアイデアが集結します。

日本の「食の未来」は、こうした企業の皆さんの挑戦によって、さらに安全で、豊かで、持続可能なものになっていくのですね。今後も注目し続けたい展示会です。

今日もお読みいただきありがとうございます。

中小企業向け展示会サポートプログラムのご案内。無料説明会随時受付中!

>>展示会活用アドバイザー大島節子へのお仕事依頼はこちらからお願いします

The following two tabs change content below.
アバター画像

大島 節子

展示会活用アドバイザー展活
1975年 大阪市生まれ。1998年家業マルワ什器入社。2001年、26歳のときに売上の95%以上を占める得意先が倒産する、という人生の試練を経験。連鎖倒産の危機を回避し家業を立て直す過程で多くの展示会現場に携わる。これまで関わってきた1000件を超える展示会経験を元に2012年展示会情報サイト「展活」を開設。2013年からは展示会セミナーの講師として活動開始。登壇回数300回以上、指導人数10,000人以上の実績。展示会初出展企業にも具体的でわかりやすい指導が好評を得ている。初の著書『展示会を活用して新規顧客を獲得する方法』好評発売中。