革新的技術を売り込め!@岐阜県産業経済振興センター
おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。
今は晴れていますが、大阪市内これから雨が降る予報。ようやく涼しくなるのか。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。
すごい技術ですね!で終わらせない
9月17日(水)岐阜県産業経済振興センターが主催するオンラインセミナーに登壇しました。

受講者は国の研究開発事業Go-Techに採択された革新的な技術を持つ企業の皆さんです。
しかしそんな先進的な技術を持つ企業ほど、展示会でよく聞くこの言葉… 「すごい技術ですね!」一見、最高の褒め言葉に聞こえますが、実はこの一言こそが、受注から遠ざかっている“危険信号”かもしれないのです。
今回の記事では展示会での「すごい!」を「欲しい!」に変え、新規顧客獲得に繋げるための具体的な方法をセミナーでお伝えした内容を元にご紹介します。
なぜ受注に繋がらない?
来場者から技術を称賛されるのに、なぜビジネスに繋がらないのでしょうか。 その根本原因は、多くの企業がブースで「自分たちが伝えたいこと(技術のスペックや独自性)」を一方的に発信してしまっていることにあります。
来場者、つまり未来のお客様が本当に知りたいのは、技術のすごさそのものではありません。彼らの頭の中は、たった一つの関心事でいっぱいです。
「その技術が、自分の会社の“お困りごと”をどう解決してくれるのか?」
このコミュニケーションのズレこそが「すごいですね!」という感心だけで終わってしまう最大の原因なのです。
「すごい!」を「欲しい!」に変える4つのステップ
では、どうすればこのワナから抜け出せるのか。セミナーでお伝えした、思考と行動を変える4つのステップをご紹介します。
ステップ1:思考の順番を入れ替える【主語をお客様に変える】
まずやるべきことは、ブースの主役を「自社の技術」から「お客様のお困りごと」に入れ替えること。コンセプト作りは、「私たちの技術は…」から始めるのではなく、「私たちのお客様は、一体何に困っているのだろう?」という問いからスタートするのです。この思考の転換が、全ての始まりです。
ステップ2:お客様の「お困りごと」を言語化する
次に「お客様の課題」をフワッとした理解で終わらせず、具体的な言葉に落とし込みます。 例えば、「コストを下げたい」という漠然とした課題ではなく、 「〇〇工程の作業時間を30%削減したい」 「消耗品の交換頻度を半分にしたい」 といったレベルまで、解像度を上げて言語化することが重要です。
ステップ3:言語化した課題を「キャッチコピー」にする
ステップ2で作り上げた「お客様のお困りごと」を、そのままブースの看板であるキャッチコピーにしましょう。
✕「世界最速の〇〇加工技術!」
◎「〇〇の加工作業、30%短縮しませんか?」
「すごい技術」をアピールする前者と違い、後者のキャッチコピーを見た来場者は、「これはまさに、うちの会社のことだ!」と、自分ごととして足を止めてくれるようになります。
ステップ4:接客では「プレゼンター」ではなく「カウンセラー」になる
足を止めてくれたお客様に対し、待ってましたとばかりに技術説明を始めるのは禁物です。大切なのは、話すよりも「聞く」こと。
「現在、どのような点でお困りですか?」 「一番のボトルネックはどの工程ですか?」
カウンセラーのように質問を重ね、相手の状況や課題を深くヒアリングすることに徹しましょう。そして、「なるほど、そのお困りごとなら、私たちのこの技術がきっとお役に立てます」と相手の話を受けてから初めて、解決策として自社の技術を提案するのです。
まとめ
革新的な技術を持つ企業は、その技術に絶対的な自信と誇りを持っています。それは何よりも素晴らしいことです。
展示会で成果を出すために必要なのは、その自信を「どうだ、すごいだろう!」という内向きのベクトルから、「あなたの会社を、もっと良くできますよ!」という外向きの貢献のベクトルへと向きを変えてあげることです。
本日ご参加いただいたGo-Tech事業者の皆さんの技術が、それを本当に必要としている未来のお客様の元へ届くことを心から応援しています。
今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子

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