メッセナゴヤ2025個別相談会② レポ

おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。

愛知県の刈谷に来ています。台風の影響で今日から明日にかけて大雨が降る予報。そんな早朝の刈谷から今朝は展活タイムズをお届けします。

“穴”を言語化できるか?

9月3日(水)は11月に開催されるメッセナゴヤの出展社様向け個別相談会の2回目でした。この日も多くの出展企業と50分ずつ様々な相談をお聞きする中で、ある明確な“違い”が見えてきました。

それは相談開始の時点で自社が提供する“穴”(=お客様の課題解決)を、すでに言語化できているかいないか。この違いによって50分後の到達点が大きく変わる、ということ。

今日は、マーケティングの有名な考え方である「ドリルを売るには穴を売れ」を軸に、この“言語化”の重要性について、昨日の相談会でのリアルな光景と共にお話しします。

「ドリルの穴理論」とは

「ドリルを売るには穴を売れ」は尊敬するマーケティングの師匠である佐藤義典先生の著書のタイトルです。元となった「ドリルの穴理論」とはセオドア・レビット氏が提唱した、マーケティングにおける非常に重要な考え方。

この理論は「顧客が買っているのはドリルではない。彼らが買っているのは“穴”である」という言葉に集約されます。

つまり、顧客が本当に求めているのは、

  • ドリルという「製品そのもの」や、そのスペック・特徴ではなく、
  • ドリルを使って開ける「穴」、すなわち「課題の解決」や「それによって得られる価値(ベネフィット)」である

ということを示しています。

この理論は企業に対して「自社製品の機能(ドリル)を語るのではなく、まず顧客の本当のニーズ(穴)を理解し、その解決策を提示することが重要だ」と教えてくれています。

相談会でのリアルな光景:「穴」の言語化ができている企業の場合

まず準備がしっかりできている方との相談会の様子です。 「うちのお客様は、こういうことで困っていて、うちの製品(技術・サービス)を使えば、こう解決できます」と、“穴”が明確に言語化できている方との相談はスムーズに進みます。

相談会はその素晴らしい“穴”を、どうすれば来場者に一瞬で伝えられるか、という「見せ方・伝え方」の議論に50分という時間を集中投下できます。結果として具体的なチラシ案や、ブースのレイアウトプランまで一気に完成させることができるのです。

※こちら生川製作所さんは「穴」が言語化できていたので、驚くほどスムーズにブースプランまで行けました♪

一方、「ドリル」を売ろうとしてしまう企業の場合…

一方で、「うちの製品は、こんなにすごいんです!」と、“ドリル”の説明から入られる方の場合、相談会は全く違うところからスタートします。

まず私が問いかけるのは「その素晴らしいドリルをお客さんはなぜ必要とするのでしょうか?」「お客さんは本当は何に困っているのでしょうか?」という質問です。 そこから一緒に“穴”を探し、それを言葉にしていく作業を始めなければなりません。

これは展示会の成果を左右する本質的な作業なのですが、当然時間がかかります。結果として、50分という限られた時間では、具体的な制作物のプランニングまでたどり着けないことも少なくないのです。

「ドリルを売る」キャッチコピー、「穴を売る」キャッチコピー

では、「穴」の言語化とは、具体的にどういうことか。それは、お客様を主語にしたメッセージを作ることです。ここで、いくつかの具体例を見てみましょう。

  • ケース1:集塵機
    • ドリルを売る: 「集塵機でお困りではありませんか?」
    • 穴を売る: 「工場内の“粉塵”でお困りではありませんか?」
  • ケース2:軽量・高強度な特殊樹脂
    • ドリルを売る: 「新開発!〇〇樹脂のご紹介」
    • 穴を売る: 「その製品の“重さ”が、輸送コストを圧迫していませんか?」
  • ケース3:在庫管理システム
    • ドリルを売る: 「高機能な在庫管理システム、導入しませんか?」
    • 穴を売る: 「『あれ、どこだっけ?』その探す時間を0(ゼロ)に!」

まとめ

展示会で成功するための一番最初のステップ。 それはデザイナーに立派なブースを依頼することでも、かっこいいリーフレットを作ることでもありません。

「私たちの製品(技術・サービス)は一体誰のどんなお困りごとを解決するために存在するのか?」この問いに明確に答えられるようになること。 すべてはここから始まります。

今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子

展示会活用アドバイザー展活
1975年 大阪市生まれ。1998年家業マルワ什器入社。2001年、26歳のときに売上の95%以上を占める得意先が倒産する、という人生の試練を経験。連鎖倒産の危機を回避し家業を立て直す過程で多くの展示会現場に携わる。これまで関わってきた1000件を超える展示会経験を元に2012年展示会情報サイト「展活」を開設。2013年からは展示会セミナーの講師として活動開始。登壇回数300回以上、指導人数10,000人以上の実績。展示会初出展企業にも具体的でわかりやすい指導が好評を得ている。初の著書『展示会を活用して新規顧客を獲得する方法』好評発売中。