来場者の足を止める確率を上げるコンセプトの見つけ方

おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。

今年の秋花粉は多いそうですね。鼻が確実に反応しています…。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。

社会課題をコンセプトに取り入れられないか?

毎年50ほどの展示会を回り、そのレポートをブログに書き続けていると、あることに気づきます。それは業界や規模が違えど、ほとんどの会場に共通する“課題”があるということです。

その課題とは、もはや日本社会全体の構造的な問題とも言える「人手不足」。

少子高齢化の問題が解決に向かう未来は残念ながら見えません。なので多くの来場者がこの課題への解決策を求めて今後も展示会に来ます。 だとしたら…あなたのブースでも「人手不足、解決します!」というメッセージを発信できないか、考えてみませんか? そうすることで来場者の反応は確実に変わるはずです。

来場者の目を引き、足を止めるには?

展示会でただ自社の製品や技術のスペックを並べるだけでは、なかなか来場者の心には響きません。 なぜなら、来場者は「製品スペックのお勉強」に来ているのではなく「自社の課題を解決してくれる“何か”」を探しに来ているからです。

そして今、最も多くの企業が抱える共通の課題が「人手不足」。
だからこそ、

  • 「〇〇できます!」(=できることの羅列) よりも、
  • 「人手不足でお困りの方へ!〇〇で解決できます!」(=課題解決の提示)

というメッセージの方が、確実に来場者の目を引き、足を止めさせる力があるのです。

あなたの会社の「人手不足解決力」の見つけ方

「でも、うちの会社は人材サービスじゃないし、人手不足と直接関係ないよ…」 本当にそうでしょうか?視点を少し変えれば、あなたの会社の技術やサービスが、お客様の「人手不足」を解決する力を持っているかもしれません。

ここでは、代表的な3つのアプローチをご紹介します。自社の強みがどれかに当てはまらないか、ぜひ考えてみてください。

アプローチ①:【自動化】~人の作業を、機械やシステムに置き換える~

これは最も分かりやすいアプローチですね。これまで人が行っていた作業を、機械やロボット、システムに代替させることで、直接的に人手を削減します。

  • 例:検査装置の会社の場合
    • ✕従来コンセプト:「±0.001mmの高精度!」
    • ◎人手不足解決コンセプト:「御社の検査工程まるごと不要にしませんか?当社の検査装置なら、検査員の“人手”を削減できます!」
    • → 解説: 「高精度」という技術的優位性が、「検査工程の自動化(=検査員の人手削減)」という価値に繋がるストーリーを描きます。

アプローチ②:【DX化】~デジタル技術で、人の“手間”を減らす~

直接的な人員削減だけでなく、デジタル技術を活用して業務プロセスを効率化し、既存の人員の「手間」や「負担」を減らすことも、立派な人手不足解決です。

  • 例:生産管理システムの会社の場合
    • ✕従来コンセプト:「多機能!生産管理システム〇〇」
    • ◎人手不足解決コンセプト:「熟練者の“勘と経験”に頼る生産計画、もうやめませんか?当社のシステムなら、若手でも最適計画が立てられ、管理者の“手間”も大幅に削減します!」
    • → 解説: システムという「ツール」が、属人化の解消や管理業務の効率化を通じて、「人の有効活用」や「負担軽減」に繋がるストーリーを描きます。

アプローチ③:【ワンストップサービス】~外部委託で、社内の“人手”を解放する~

自社で抱えきれない業務を外部に委託することで、社内の貴重な「人手」をコア業務に集中させる。これも重要な人手不足対策です。

  • 例:デザインから印刷まで請け負う会社の場合
    • ✕従来コンセプト:「高品質な印刷物、お任せください!」
    • ◎人手不足解決コンセプト:「広報担当者さん、デザイン会社と印刷会社への発注、別々で大変じゃないですか?当社なら“丸投げOK”!あなたの会社の“人手”を、本来やるべきコア業務に集中させます!」
    • → 解説: サービスの「包括性」が、顧客社内の業務負担軽減、つまり間接的な「人手不足解決」に繋がるストーリーを描きます。

「GX」や「多様化」も、有力なコンセプト候補

「人手不足」以外にも多くの来場者が関心を持つ社会課題はあります。「GX(環境対策、カーボンニュートラル、廃棄物削減)」や「多様化(外国人労働者との共生、LGBTQ+への配慮、推し活など)」も、業界横断的なテーマとして注目度が高いです。自社の取り組みと結びつけられるのであれば、これらも有力なコンセプトになり得るでしょう。

まとめ:あなたの技術は、社会を救う力を持っている

展示会で成果を出すためには、もはや単に「自社のできること」をアピールするだけでは不十分です。

あなたの会社の製品・技術・サービスが、社会が抱えるどんな課題を解決できるのか?

特に、日本全体が直面する「人手不足」という大きな課題に対して、あなたの会社が貢献できることは何か? その視点で自社の強みを見つめ直し、展示会コンセプトに落とし込んでみてください。

ブースの前で足を止める来場者の数が、きっと変わってくるはずです。

今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子

展示会活用アドバイザー展活
1975年 大阪市生まれ。1998年家業マルワ什器入社。2001年、26歳のときに売上の95%以上を占める得意先が倒産する、という人生の試練を経験。連鎖倒産の危機を回避し家業を立て直す過程で多くの展示会現場に携わる。これまで関わってきた1000件を超える展示会経験を元に2012年展示会情報サイト「展活」を開設。2013年からは展示会セミナーの講師として活動開始。登壇回数300回以上、指導人数10,000人以上の実績。展示会初出展企業にも具体的でわかりやすい指導が好評を得ている。初の著書『展示会を活用して新規顧客を獲得する方法』好評発売中。