相次ぐシステム障害から学ぶべきこと

おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。

久しぶりにしっかりとした雨が降っています。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。

「便利」が「弱点」に変わった2ヶ月間

10月、11月と企業の根幹を揺るがすような大規模なシステムトラブルが立て続けに発生しました。

「通販が頼めない」「デザインツールが開かない」「顧客データが見られない」……。

ニュースで見て「大変だな」と思っているうちはまだ良いのですが、これらは私たち中小企業の日常業務を、一瞬にしてストップさせる重大なリスクです。

今回は、直近で起きた事例を振り返りながら、「特定のサービスに依存しすぎない」ための具体的なリスク分散術について考えます。

物流・購買の停止リスク(アスクル:ランサムウェア)

事務用品通販大手「アスクル」がランサムウェア(身代金要求型ウイルス)の被害に遭い、配送や受発注システムに大きな影響が出ました。 「明日届くはずのコピー用紙やトナーが届かない」「梱包資材がないから出荷できない」という事態に直面した企業も多かったのではないでしょうか。

中小企業が取るべき対策:購入ルートの複線化

アスクルは非常に便利ですが、そこだけに頼るのは危険です。「モノタロウ」「たのめーる」、あるいは地域の地域のホームセンターなど、第2、第3の購入ルートの必要性が明らかになりました。 いざという時に「あっちがダメならこっちですぐ頼む」と言える状態にしておくことが大切ですね。

クラウド基盤の共倒れリスク(Canva, Zoom:AWS障害)

デザインツール「Canva」やWeb会議「Zoom」などが一時利用不能になりました。原因は、それらの土台となっているクラウドサーバー「AWS(Amazon Web Services)」の障害でした。 全く別のサービスに見えても、裏側の基盤(AWSなど)が同じであれば、同時にダウンしてしまう「共倒れ」のリスクがあることが露呈しました。

中小企業が取るべき対策:アナログな代替手段の確保

「クラウドが全滅しても、最低限の仕事は回せる」準備をしておくことです。 ZoomがダメならTeamsやGooglemeet。それもダメなら「電話」で話す。CanvaがダメならPowerPoint(ローカルアプリ)で急場をしのぐ。 便利なツールを使いつつも、いざという時のアナログなバックアップ手段やスキルを持っておくこと。

業務直結ツールの停止リスク(Adobe)

Adobeの主要アプリ(Illustrator、Photoshop、Premiere Proなど)が、起動しなくなる、またはすぐに止まるという障害が発生しました。原因はAdobe側の認証システムやバックグラウンドサービスの不具合(ライセンス認証がうまくいかず、アプリが立ち上がらない状態)と見られています。

中小企業が取るべき対策:データのローカル保存

ネット回線を切って、ローカルで動かせば動いたそうです。そういった機転を利かせる、X等で調べるなどの臨機応変な対応力が求められますね。

まとめ

更に先日、Xが落ちてしまっていた日もありました。Xは上記のようなトラブルが起こった時の緊急連絡網として優秀ですが、その緊急連絡網自体も止まることがあるという現実も教訓になりましたね。Threadsなど代替手段を持っておくことの大切さを教えてくれました。

デジタル化、DXは素晴らしいことですが、それは「平時」においてこそ威力を発揮するものです。 有事の際、会社を守るのは「アナログな備え」と「分散」です。

  • 購買先を分散する。
  • 代替ツールを用意しておく。
  • データを手元にも置いておく。

「便利さ」を享受しつつも、万が一の時に「アナログ」という命綱をしっかり握っておく。それが今回の相次ぐシステムトラブルから学ぶべきことではないでしょうか。

今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子

展示会活用アドバイザー展活
1975年 大阪市生まれ。1998年家業マルワ什器入社。2001年、26歳のときに売上の95%以上を占める得意先が倒産する、という人生の試練を経験。連鎖倒産の危機を回避し家業を立て直す過程で多くの展示会現場に携わる。これまで関わってきた1000件を超える展示会経験を元に2012年展示会情報サイト「展活」を開設。2013年からは展示会セミナーの講師として活動開始。登壇回数300回以上、指導人数10,000人以上の実績。展示会初出展企業にも具体的でわかりやすい指導が好評を得ている。初の著書『展示会を活用して新規顧客を獲得する方法』好評発売中。
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