国際サプライチェーン促進博覧会 レポ(行ってないけど)
おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。
雨が降り続いています。ただ台風の予報はマシになった様子。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。
展示会が国家戦略の舞台になる
6月22日(月)〜26日(金)、北京で第4回中国国際サプライチェーン促進博覧会(CISCE 2026)が開催されています。
私は現地には行っていませんが、経済ニュース番組の報道やいくつかのニュース記事が興味深かったのでレポを残しておきます「展示会って、ここまで国家戦略の舞台になるものなのか」と考えさせられる内容でした。
中国国際サプライチェーン促進博覧会(CISCE)とは
中国国際サプライチェーン促進博覧会(CISCE)は中国国際貿易促進委員会(CCPIT)が主催する、世界初の「サプライチェーン」をテーマにした国家レベルの博覧会です。今年のテーマは「世界をつなぎ、未来を共創する」。出展企業数は676社が確定、85を超える国や地域・国際機関から企業・団体が参加。前回(第3回)の来場者数は20万人にのぼります。
展示構成は「先進製造」「クリーンエネルギー」「スマート車両」「デジタル技術」「健康生活」「グリーン農業」という6つの中核サプライチェーン分野。そして今年の最大の見どころが、初めて設置されたAI専用ゾーンです。NVIDIAをはじめとする中国内外の主要AI企業が集結しました。
この展示会の、ちょっと特殊な目的
通常、展示会の目的は「企業同士のマッチング」です。発注側がサプライヤーを見つけたい、サプライヤー側が新しい取引先を見つけたい。シンプルにそれだけです。
でもCISCEには、もう一つの大きな目的が重なっています。
中国は長らく「世界の工場」と呼ばれてきましたが、米中対立や「デカップリング(中国外しのサプライチェーン再編)」の動きが続いています。そんな中、CISCEは「中国から離れると困りますよ」「中国は依然として不可欠ですよ」ということを、世界的企業の幹部を招いて実証してみせる場になっているのです。
実際、AppleのCEOクック氏は「中国のパートナーがいなければAppleの今日の成功はない」と発言し、NVIDIAのフアンCEOは「中国のサプライチェーンは奇跡」と称賛しました。出展企業の65%以上がApple、Tesla、NVIDIAをはじめとするFortune Global 500企業という事実も、この演出効果を支えています。
これは中国側からすれば、対外的な広報・外交的な意味合いが非常に強いイベントだということです。

双方向のマッチングという実務的な側面
もちろん実務的なマッチングも当然行われています。
- 中国国内の中小〜中堅メーカーが、海外大手企業のサプライヤーとして採用されることを目指す
- 海外の大手企業が、中国国内の有力な部品メーカーや素材メーカーとの新規取引先を探す
この両方向が同時に起きているのが、CISCEの実務的な側面です。日本からも30社以上が出展し、日中関係が冷え込む状況下でも経済的なつながりを維持したいという意図がうかがえます。

AIエリア新設の裏にある、中国政府のしたたかな戦略
今年初設置されたAI専用ゾームには、NVIDIAやBaidu、Intelなどが出展し、多くの来場者を集めました。この背景には、習近平政権が今年3月の全人代で発表した「AIプラス行動」戦略があります。物流やエネルギーなど各産業とAIを組み合わせるという、国家としての計画です。
ここで興味深いのが、中国の戦略の二面性です。半導体などの戦略分野においてはアメリカに依存しない「自立自強」を進める方針を打ち出しています。一方で、中国市場を重視するNVIDIAやIntelといった米国企業との関係は維持したい、という狙いも持っています。
「自立を目指す」と「関係は維持したい」。一見矛盾するようですが、これが今の中国の現実的な立ち位置なのだと思います。展示会というプラットフォームの上で、その複雑な戦略が同時に表現されているのが、興味深く感じました。

日本企業の視点
報道では、住友電工の会長が会場を視察した様子も紹介されていました。同社が手がけるAIデータセンター向けの光ケーブルについて、中国でのデータセンター増設に伴う需要の高まりに期待を寄せているとのこと。一方で、中国に依存しないサプライチェーン構築の必要性も指摘しています。重要な部品が確保できなくなるリスクに備え、代替品を他の地域から調達することや、リサイクル技術を発展させることなど、影響を最小限に抑えるための継続的な取り組みが求められているそうです。
需要への期待とリスクへの備え。この両方を同時に持ちながら向き合う姿勢は、今の日本企業にとって現実的な対応だと感じました。
展示会という場の奥深さ
CISCEのレポートを通じて改めて感じたのは、展示会という場は単なる商談の場にとどまらないということです。
外交、国家戦略、企業の生存戦略——それらが重なり合う舞台にもなる。普段私が関わっている中小企業の展示会とはスケールがまったく違いますが、こういう大きな視点で展示会を見ることも、大切な学びだと感じています。
今日もお読みいただきありがとうございます。

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