SEMICON Japan2025 レポ(行ってないけど)
おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。
今夜はクリスマスイブですね。そんな大阪から今日も展活タイムズをお届けします。
半導体を軸に考える業界の未来と現実
12月17日(水)~19日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて世界最大級の半導体製造装置・材料の展示会SEMICON Japan 2025が開催されました。
会場は東ホール4~6、西ホール1F・4F、南ホール1Fに加え、会議棟まで使用。 出展社数は1,000社を超え10万人以上が来場するという、まさに国策産業としての勢いを象徴するような巨大イベントです。
私は現地には行けなかったのですが、まさにその会期中、業界に冷や水を浴びせるような衝撃的なニュースが飛び込んできました。
えっ、まだ足りないの? そんな疑問を持った自分の頭を整理するためにもレポを残しておきます。
なぜ今、再び「生産停止」なのか?
ニュースによると今回の停止の原因は「半導体不足」と「部品調達の管理体制」にあるとのこと。 現代の自動車、特に電気自動車(EV)は、もはや「走る半導体」と言われるほど電子化が進んでいます。 かつてのガソリン車では数百個レベルだった半導体が、最新のEVでは1台に約5,000個も使われていると言われます。

たった1個のチップが足りないだけで車が作れなくなる。 これが極限まで効率化された今の製造業が抱えるリスクであり、今回のニュースはその脆さがまだ解消されていないことを突きつけました。
目立つのはAI、でも現実は…
SEMICON Japan2025の公式サイトやニュース映像から目に入ってくるのは「AI」の文字が多かったです。
セミナーのテーマを見ても、
- 「AI・量子時代のLeapfrog半導体戦略」
- 「生成AI / Generative AI」
- 「設計のAI活用」
といった、最先端の「攻め」の技術が中心です。 業界全体が「AIを動かすための高性能なチップ(2nm世代など)」の開発に前のめりになっています。
しかし、今回ホンダの件で問題になったような車載半導体の多くは、実は最先端ではなく「レガシー(旧世代)」と呼ばれ技術で作られたチップです。 「AI!最先端!」と業界が未来に熱狂する一方で、足元の「地味だけど不可欠なチップ」の供給網(サプライチェーン)にはまだ死角が残っていた、ということでしょうか。
業界はどう動いている?
では半導体業界はこの「供給リスク」を放置しているのでしょうか? いいえ、華やかなAIの裏で、しっかりと議論されていたようです。
セミナー一覧を詳しく見てみると、地味ながら極めて重要なセッションが設けられていることに気づきます。
① サプライチェーンの強靭化 「半導体サプライチェーンの未来」というテーマでは、まさに今回のような供給途絶を防ぐための議論が行われています。
② 経済安全保障と地政学 「半導体をめぐる経済安全保障と地政学」というセッションもありました。 今の半導体不足は、単に「工場が足りない」だけでなく、国同士の対立や規制によって「モノが入ってこない」リスクと隣り合わせです。
③ 環境規制への対応 「PFAS対策最前線」といった、環境規制により材料が使えなくなるリスクへの対策も話し合われていました。
「作る技術(微細化)」だけでなく、「途切れさせない技術(サプライチェーン管理)」も、実は今年の裏重要テーマだったのです。
まとめ
SEMICON Japanから見えてきたのは人類の未来を拓く「攻め」の半導体。 そしてニュースで見たのは産業の足元を支える「守り」の半導体の重要性でした。
どんなにAIが進化しても、それを動かすハードウェアが届かなければ絵に描いた餅です。 またどんなに素晴らしいEVができても、たった一つの部品不足でラインは止まります。
10万人が熱狂した3日間。 私たちの目はついキラキラした「未来の技術」に向きがちですが、「それを支える供給網」の泥臭い努力にも目を向ける必要がある。そう強く感じさせられる展示会だったように思いました。
今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子
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