遠方の展示会、社員を連れて行く?現地で派遣を雇う?

おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。

昼間は本当に暑いですね。この暑さに慣れるまでが大変。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。

コストor教育効果

地方に拠点を置く企業が、東京ビッグサイトのような大都市での大規模展示会に出展する際、抱えがちな悩み。 それは、「ブースに立つスタッフを、自社から連れて行くべきか、それとも現地で派遣スタッフを雇うべきか?」という、人選とコストの問題です。

コスト、製品知識、モチベーション…様々な要素が絡み合うこの問題。今日は、特に「費用」と「社員教育」という2つの観点から、それぞれの選択肢を比較・考察してみたいと思います。

まずは費用を比較してみよう

多くの方がまず気になるのは、やはり費用ですよね。 例えば、大阪の会社が東京ビッグサイトで開催される3日間の展示会に、社員1名を連れて行く場合と、現地で派遣スタッフを1名雇う場合で、具体的な費用を比べてみましょう。

【ケース1】現地で派遣スタッフを3日間雇った場合

展示会ブーススタッフを派遣会社経由で依頼する場合、料金は様々ですが、おおよそ…

  • 1日あたりの料金: 15,000円~25,000円程度
  • 3日間の合計: 約45,000円~75,000円 となります。

「展示会 ブーススタッフ派遣 東京」等のキーワードで検索してみてください。色々出てきます。

【ケース2】大阪から社員1名を連れて行く場合

一方、大阪から社員を1名連れて行くとすると…

  • 交通費(新幹線往復): 約30,000円
  • ホテル代(3泊): 約33,000円
  • 食事代など: 約12,000円
  • 合計: 約75,000円 これに加えて、もちろんその社員さんの人件費もかかってきますね。

費用の結論:意外な事実

こうして比べてみると、意外なことが分かります。 もし、日給20,000円程度で質の良い派遣スタッフを確保できるのであれば、実は現地でスタッフを雇う方が、社員を一人連れて行くよりも総費用は安くつくのです。「社員を連れて行く方が安い」と漠然と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、一概にそうとは言えないのが現実です。

それぞれのメリット・デメリット

では、費用が安くつく可能性があるなら、現地で派遣スタッフを雇う方が良いのでしょうか? いえいえ、話はそう単純ではありません。それぞれの方法には、費用以外のメリット・デメリットがあります。

  • 現地派遣スタッフを雇う場合
    • メリット:
      • 費用を抑えられる可能性がある。
      • 移動や宿泊の手配といった手間がかからない。
    • デメリット:
      • 製品知識や会社への想いは、どうしても社員には及ばない。
      • 複雑な質問や深い商談には対応が難しい。
  • 社員を連れて行く場合
    • メリット:
      • 製品知識と、会社や製品への熱意を持って接客できる。
      • その場で技術的な質問に答えたり、価格交渉の判断ができたりする。
      • そして何より、次の章でお話しする「社員教育」という、お金には代えがたい価値がある。
    • デメリット:
      • 費用が高くなる可能性がある。
      • その社員が本来の業務から長期間離れることになる。

展示会は最高の「社員教育」の場

費用という短期的な視点だけでは見えてこない、社員さんを展示会に連れて行くことの最大のメリット。それは、展示会は最高の「社員教育」の場になるということです。

普段、社内で製造や事務の仕事をしている社員さんが展示会の最前線に立つと、そこには新鮮な学びと成長の機会が溢れています。

  • お客様の“生の声”が聞ける: 自分たちが作っている製品が、お客様にどう評価され、何を期待されているのかを直接体感できます。時に厳しい意見をいただくこともありますが、それこそが次なる改善への何よりのヒントになります。
  • 市場や他社製品を肌で感じる: 他社がどんな製品を、どんな見せ方でアピールしているのか。市場全体のトレンドはどこにあるのか。会社の外に出て、市場のリアルな空気に触れることは、視野を大きく広げます。
  • 「伝える力」が磨かれる: 自社の強みや製品の価値を、何も知らない来場者に分かりやすく説明するという経験は、最高のプレゼンテーション練習になります。どうすれば他者に伝わるのか、試行錯誤する中でコミュニケーション能力が向上します。
  • モチベーションと当事者意識の向上: 自社の製品がお客様に注目される喜び、感謝されるやりがい。これらは、日々の業務ではなかなか味わえないものです。展示会に参加することで業務が自分事になり、「自分はこの会社を支える一員なんだ」という当事者意識と、仕事への誇りが生まれます。

まとめ

これまでの比較をまとめましょう。 コストを最優先するならば、現地で派遣スタッフを雇うという選択肢は有効です。 しかし、長期的な視点で「社員の成長」を重視するならば、費用がかかったとしても社員さんを連れて行くことには価値があります。

最終的にどちらを選ぶべきか。そこに絶対的な正解はありません。 それは「展示会出展で、あなたの会社が何を大切にしたいのか?」という問いへの答えだからです。

これまで派遣スタッフを雇ったことがないのであれば、一度、試してみると良いでしょう。色々やってみて自社にとっての最適解を探っていただけたらと思います。

今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子

展示会活用アドバイザー展活
1975年 大阪市生まれ。1998年家業マルワ什器入社。2001年、26歳のときに売上の95%以上を占める得意先が倒産する、という人生の試練を経験。連鎖倒産の危機を回避し家業を立て直す過程で多くの展示会現場に携わる。これまで関わってきた1000件を超える展示会経験を元に2012年展示会情報サイト「展活」を開設。2013年からは展示会セミナーの講師として活動開始。登壇回数300回以上、指導人数10,000人以上の実績。展示会初出展企業にも具体的でわかりやすい指導が好評を得ている。初の著書『展示会を活用して新規顧客を獲得する方法』好評発売中。