展示会で成果が出なかった時の“正しい”検証法

おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。

昨日は一日中、しっかり雨でしたね。夜は少し涼しかったです。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。

他責にする前に確認したい“7つの検証ポイント”

思うような成果が出なかった展示会の後、「もうこの展示会はダメだ」「場所が悪かった」「来場者の質が…」と、SNSで嘆きの投稿を目にしてしまうことがあります。そのお気持ち、分からなくはありません。しかし、私は少し「モヤっと」してしまうのです。

もちろん、本当に展示会という手法が、その商品やサービスに合わないこともあります。一度試してみて、「うちはウェブでの販売に集中しよう」と判断するのは、素晴らしいことです。

でも、その結論を出す前に、本当に“展示会のせい”にしてしまって良いのでしょうか? もしかしたら、自社の中にこそ、次なる成功への大きなヒントが眠っているかもしれません。

今日は、成果が出なかった悔しい経験を、未来への価値ある投資に変えるための“正しい検証法”についてお話しします。

なぜ「他責」では、未来がないのか?

「展示会が悪い」「場所が悪い」と結論づけてしまうこと。それは、自社の成長の機会を、自ら放棄してしまっているのと同じです。 他責にしている限り、たとえ別の展示会に出たとしても、同じ失敗を繰り返してしまう可能性が高い。それでは、時間と費用がもったいないですよね。

嘆く前に、自問したい「7つの検証ポイント」

では、どうすればいいのか?感情的に嘆く前に、冷静に、客観的に、自社の行動を振り返ってみましょう。そのための7つのチェックリストをご用意しました。

【準備編】そもそも“成果の出る土台”はできていたか?

  1. 出展目的・目標は、具体的で測定可能なものだったか?
    「なんとなく新規顧客が欲しい」ではなく、「〇〇業界の技術者の名刺を100枚獲得し、10件のアポに繋げる」といった、明確な数値目標はありましたか?
  2. 展示会のテーマと、自社の製品・対象顧客は本当に合っていたか?
    来場者層を事前にリサーチし、「この人たちに会う」と決めていましたか?もしかしたら、そもそもお会いしたいお客様がいない場所で、頑張っていたのかもしれません。
  3. 事前に「会いに来てください」と、お客様を招待する活動をしていたか?
    「出展すれば誰か来るだろう」と受け身になっていませんでしたか?既存のお客様や、繋がりたい見込み客に、事前にお知らせを送っていましたか?

【実践編】ブースでの“伝え方”は最適だったか?

  1. ブースは「製品を並べるだけ」でなく、「来場者の課題を解決する」見せ方になっていたか?
    来場者が一目で「これは、私のためのブースだ!」と分かるような、問題解決型のキャッチコピーや展示になっていましたか?
  2. 去年と全く同じ展示をしていなかったか?
    もし2回目以降の出展なら、前回と全く同じ見せ方をしていませんか?初出展の新鮮さに甘えず、何か新しい情報や見せ方を加えましたか?

【会期後編】出会った“ご縁”を“成果”に変えられていたか?

  1. 交換した名刺(=ご縁の証)に、会期後3日以内に、何らかのアプローチをしたか?
    展示会で得た熱量を冷まさないうちに、スピーディーにフォローアップできていましたか?
  2. その後の継続的なフォローの仕組みは、事前に決まっていたか?
    お礼メールを送っておしまい、になっていませんか?誰が、いつまでに、どうやってアプローチしていくか、チームで共有できていましたか?

検証の先にある「正しい判断」

この7つのポイントを検証した上で、次にどうすべきかを判断します。

  • ケースA:「うちの準備やフォローに、課題がたくさんあった…」 この場合は、展示会のせいではありません。まずは今回見つかった課題を一つひとつ改善し、同じ展示会にもう一度挑戦してみる価値は十分にあります。
  • ケースB:「やるべきことは全てやった。それでも、会いたいお客様には会えなかった…」 この段階に至って初めて、「この展示会は、自社とは合わなかった」という判断ができます。これは、他責ではなく、貴重なマーケティング活動の結果です。

まとめ:失敗は、次の成功のための「最高のデータ」である

展示会で思うような成果が出なかった時の悔しい気持ち、本当によく分かります。 しかし、その悔しさは、感情的に吐き出すだけでは何も生み出しません。「なぜダメだったのか?」を冷静に分析して得られるデータこそが、次の成功を約束する、何物にも代えがたい財産になるのです。

他責は思考の停止。自責は成長の始まり。 ぜひ今回の検証法を使って悔しさを未来へのエネルギーに変えてください。

今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子

展示会活用アドバイザー展活
1975年 大阪市生まれ。1998年家業マルワ什器入社。2001年、26歳のときに売上の95%以上を占める得意先が倒産する、という人生の試練を経験。連鎖倒産の危機を回避し家業を立て直す過程で多くの展示会現場に携わる。これまで関わってきた1000件を超える展示会経験を元に2012年展示会情報サイト「展活」を開設。2013年からは展示会セミナーの講師として活動開始。登壇回数300回以上、指導人数10,000人以上の実績。展示会初出展企業にも具体的でわかりやすい指導が好評を得ている。初の著書『展示会を活用して新規顧客を獲得する方法』好評発売中。