展示会ブースは内製?外注?

おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。

昨日は救急車のサイレンを何度も聞きました。熱中症に注意しないとですね…。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。

展示会ブース制作、3つの方法のメリット・デメリット

展示会への出展が決まったら次に考えるのはブースのこと。 「費用は一体どれくらい見ておけばいいんだろう?」 こうしたご相談は、特に初めて出展される企業や、中小企業の皆さまから本当によくいただきます。

このブース制作の選択が、展示会の成果とコストパフォーマンスを左右する、と言っても過言ではありません。 そこで今回は、一般的な3m×3mのブースを例に、「ブース制作の3つのパターン」を、それぞれの費用感やメリット・デメリットと共に比較・解説していきます。

展示会ブース制作、3つの選択肢

まずは、今回比較する3つのパターンをご紹介します。

  1. パターン1:デザインも施工もプロに丸ごとお任せ(フル外注)
  2. パターン2:デザインと制作はプロ、原稿作成・設営は自社(ハイブリッド型)
  3. パターン3:デザインも内製、ネット印刷活用でコストを抑える(完全内製)

それでは、一つずつ見ていきましょう。

【パターン1】施工会社に丸ごとお任せ(フル外注)

これは、展示会ブースの専門施工会社に、デザインから木工などを使った施工、そして会期後の撤去まで、すべてをお任せするスタイルです。いわゆる「施工ブース」がこれにあたります。

  • 費用目安: 40~100万円
  • メリット:
    • プロならではの、デザイン性の高いブースが作れる。
    • 来場者が“ちゃんとした会社”という印象を受ける。
    • 自社の手間が最小限で済む。
  • デメリット/注意点:
    • 費用が高額になる。
    • 施工ブースのため使いまわしができず、出展のたびに毎回同等の費用がかかる。
  • 参考ページ: (株)展示会ブース装飾

【パターン2】デザイン・制作はプロ、原稿作成・設営は自社(ハイブリッド型)

ブースの壁面に貼るタペストリーやパラペット幕、テーブルクロスなどのデザインデータ作成と制作はプロに依頼(この場合のプロとは印刷会社など)。原稿作成・設営は自社で行うパターン。基本のブースパネルは主催者が準備。装飾品としてタペストリー・パラペット用幕・テーブルクロスを制作する想定です。展活セミナーではこの方法をとる企業が多いです。

  • 費用目安(初回):30~50万円程度
    • (内訳例:デザイン費5~20万円、タペストリー制作18万円、パラペット幕3万円、テーブルクロス4万円など)
  • メリット:
    • デザインのクオリティはプロに任せられるので安心感が大きい。
    • 制作したタペストリーや幕類は、すべて自社の資産となり、何度でも使いまわしが可能。 2回目以降の出展では、この部分の費用は実質0円になります。
  • デメリット/注意点:
    • 印刷会社への発注や進行管理など、自社での手間と時間が多少はかかる。
    • デザイナーによって費用やスキルに幅があるため、信頼できるパートナーを見つけることが重要。

【パターン3】完全内製+ネット印刷活用

社内にデザインができる人材がいて、Illustratorなどのソフトを使い、自社でタペストリーなどのデザインデータを作成。制作は価格の安いネット印刷を活用するスタイルです。

  • 費用目安(初回):15~20万円程度
    • (内訳例:デザイン費0円、タペストリー制作 約13.5万円、パラペット幕 約1.3万円、テーブルクロス 約1.4万円など)
  • メリット:
    • 費用を圧倒的に抑えることができます。
    • パターン2同様、制作物はすべて使いまわしが可能。
  • デメリット/注意点:
    • Illustratorで印刷用の完全データを入稿できるスキルが、社内に必須です。
    • デザインのクオリティは、担当者のスキルに大きく左右されます。
    • デザインから発注まで、時間と手間が最も多くかかります。
  • 参考ページ(ネット印刷サービス例):

まとめ:自社に合った方法はどれ?比較一覧表

ここまで解説した3つのパターンを、一覧表にまとめてみました。

項目パターン1
(丸ごとお任せ)
パターン2
(ハイブリッド)
パターン3
(完全内製)
初回費用目安40~100万円30~50万円15~20万円
2回目以降費用40~100万円ほぼ0円ほぼ0円
デザイン品質○(高い)○(高い)△(社内スキル次第)
自社の手間△(少ない)○(中程度)◎(多い)
再利用×(不可)◎(可能)◎(可能)
必要なスキル特になし原稿作成能力デザイン・DTPスキル

会社の状況と「今後の出展計画」で最適な選択を

さて、3つのパターンを比較してきましたが、「どの方法が一番良い」という絶対的な正解はありません。 会社の予算、社内のスキル、かけられる手間、そして「今後も展示会に継続して出展する計画があるか?」を総合的に考えて、自社に最適な方法を選ぶことが大切です。

  • 予算はある、手間はかけられない、見映え重視という場合は、パターン1が有効な選択です。
  • 継続的な出展を考えているのであれば、初期投資はかかっても、タペストリーなどが資産として残り、2回目以降のコストを大幅に削減できるパターン2が、結果的にコストパフォーマンスは高くなります。
  • デザインスキルがあり、illustratorデータを作成できるスタッフが社内にいて、予算をかけたくない場合はパターン3が選べます。

皆さんの会社の状況に合わせた、賢いブース制作の選択の参考にしていただけましたら幸いです。

今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子

展示会活用アドバイザー展活
1975年 大阪市生まれ。1998年家業マルワ什器入社。2001年、26歳のときに売上の95%以上を占める得意先が倒産する、という人生の試練を経験。連鎖倒産の危機を回避し家業を立て直す過程で多くの展示会現場に携わる。これまで関わってきた1000件を超える展示会経験を元に2012年展示会情報サイト「展活」を開設。2013年からは展示会セミナーの講師として活動開始。登壇回数300回以上、指導人数10,000人以上の実績。展示会初出展企業にも具体的でわかりやすい指導が好評を得ている。初の著書『展示会を活用して新規顧客を獲得する方法』好評発売中。