展示会のノベルティって必要?

おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。

身の回りの様々なものが冬仕様に変わっていきます。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。

本当に必要?配る前に考えたいこと

展示会の準備シーズン。必ず議題に上がる問題の一つが「ノベルティ、何にする?」ですよね。周りのブースが華やかなグッズを配っているのを見ると、「うちも何か用意しないと、見劣りするんじゃ…」「とりあえず、社名入りのボールペンでも作っておくか…」と、なんとなく焦ってしまう気持ちよく分かります。

しかしちょっと待ってください。そのノベルティ、本当にあなたの会社の成果に繋がっていますか? 今回は意外と奥が深いノベルティの効果について展活の視点から考えてみたいと思います。

なぜノベルティを配るのか?

まずなぜ多くの企業がノベルティを配るのか。結論から言うと私は配っても配らなくてもどちらでも良いと思っています。展示会の本質はそこではないからです。ただノベルティを配ることでこんなことが期待できます。

  • 期待①:とにかくブースに人を呼び込みたい → 物で釣って、まずは足を止めてもらう作戦。
  • 期待②:会社の名前を覚えてほしい! → 社名入りグッズを持ち帰ってもらい、後で思い出してもらう。
  • 期待③:ちょっとした“お礼”の気持ちを伝えたい! → ブースに来てくれた感謝を示す。

これらの効果、本当に得られているでしょうか?

ノベルティの現実

長年数多くの展示会を見てきた中で、ノベルティにはいくつかの残念な現実があると感じています。

  • ①:意外と高コスト、そして“ゴミ”になる可能性も…
    ボールペン1本の単価は安くても、数百本、数千本となれば大きな予算です。そして悲しいかな、安価なノベルティは結局使われずに引き出しの奥で眠るか、捨てられてしまうことも少なくありません。
  • ②:「ノベルティハンター」を引き寄せてしまう
    あなたの会社の製品や技術には全く興味がないけれど、無料グッズだけを目当てにブースを回る「ノベルティハンター」。彼らに時間を費やし、貴重な商談機会を逃してしまっては本末転倒です。
  • ③:本来伝えるべき“メッセージ”が薄まる
    ノベルティを配ることに必死になるあまり、自社の強みや「お客様のお困りごと解決」という最も重要なメッセージを伝える時間が失われてしまうケースも、残念ながら見受けられます。

ノベルティよりも大切にすべきこと

では、ノベルティにかける予算や労力を、どこに振り向けるべきか?展活が推奨する「より成果に繋がる投資先」は、以下の3つです。

  • ①:来場者が“足を止める”ブース作り
    思わず「これは何だろう?」と興味を惹くキャッチコピー、課題解決が一目でわかる壁面デザイン。ここにこそ、知恵と予算を集中させるべきです。
  • ②:“聞く力”を磨くスタッフ教育
    来場者の課題を的確にヒアリングし、「この会社に相談したい」と思わせるコミュニケーション能力。
  • ③:記憶に残る“チラシ”というお土産
    ブースで伝えきれなかった価値を後でじっくり読んでもらえる「問題解決型チラシ」。これこそが、来場者に持ち帰ってもらうべき最高のお土産です。

それでも配るなら…「意味のある」ノベルティとは?

もちろん、全てのノベルティが無意味だとは言いません。明確な「目的」と「戦略」があれば、ノベルティは効果を発揮します。最近、私がこれは良いのではと思っている方法をご紹介します。

「シールアンケート」のお礼としてのノベルティ

  1. 大きなボードを用意し自社の仕事に関する4択程度の簡単なアンケートを掲示します。(例:「〇〇で一番困っていることは?」A.コスト B.納期 C.品質 D.人材)
  2. 来場者に、自分の回答だと思う選択肢の場所にシールを貼ってもらいます。
  3. シールを貼ってくれたお礼として社名入りのオリジナルお菓子を渡します。
    例:社名入りブラックサンダー

この方法の素晴らしい点は、以下の3つです。

  • ① 来場者の“本音”が見える化できる
    : 展示会終了時にはボードに貼られたシールの数で、来場者が何に困っているのかが一目瞭然。これは貴重なマーケティングデータになります。
  • ② 自然な会話のきっかけが生まれる
    : シールを貼るという「参加型」のアクションが、スタッフと来場者の自然な会話を生み出します。「〇〇を選ばれたんですね。具体的にはどんな…?」と、スムーズにヒアリングに入れます。
  • ③ 嬉しい「お礼」で好印象を残せる
    : 単なるバラまきではなく、「アンケート協力への感謝」という明確な理由があるので受け取る側も気持ちが良い。オリジナルパッケージのお菓子なら社内に持ち帰った後も話題になるかもしれません。

ノベルティは「ただ配る」のではなく、「何か(アンケート、ヒアリングなど)のお返し」として活用することで、その価値が高まるのではと思います。

まとめ

展示会で来場者に本当に持ち帰ってほしいものは何でしょうか? すぐに使われなくなるかもしれない「モノ」ですか? それとも、彼らのビジネスを少しでも良くする「課題解決のヒント」ですか?答えは明確なはずです。

ノベルティはあくまで脇役。主役はあなたの会社の「価値(=お客様のお困りごと解決)」です。

配るかどうか迷ったら「これは、お客様の課題解決に繋がるか?」「コミュニケーションを生むきっかけになるか?」と自問してみてください。その答えがあなたの会社の取るべき賢いノベルティ活用法を示してくれるはずです。

今日もお読みいただきありがとうございます。

中小企業向け展示会サポートプログラムのご案内。無料説明会随時受付中!

>>展示会活用アドバイザー大島節子へのお仕事依頼はこちらからお願いします

The following two tabs change content below.
アバター画像

大島 節子

展示会活用アドバイザー展活
1975年 大阪市生まれ。1998年家業マルワ什器入社。2001年、26歳のときに売上の95%以上を占める得意先が倒産する、という人生の試練を経験。連鎖倒産の危機を回避し家業を立て直す過程で多くの展示会現場に携わる。これまで関わってきた1000件を超える展示会経験を元に2012年展示会情報サイト「展活」を開設。2013年からは展示会セミナーの講師として活動開始。登壇回数300回以上、指導人数10,000人以上の実績。展示会初出展企業にも具体的でわかりやすい指導が好評を得ている。初の著書『展示会を活用して新規顧客を獲得する方法』好評発売中。