展示会の最終目標を達成するための行動目標

おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。

猛暑日が続きますね。こんなに暑いのにセミが鳴いていないのが変な感じです。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。

具体的に何をするのか?

前回の記事では、展示会成功のためには、まず「目的と最終目標」を定めることが重要だとお伝えしました。 (前回の記事をまだお読みでない方はこちらからどうぞ→ 出展目的が明確になる“4つの質問”

「うちの会社は、今回の展示会でこれを達成するぞ!」という最終目標が決まったら、次は実践です。 ではその最終目標を達成するために具体的に何をすれば良いのでしょうか?

今日は、その最終目標を、現場で動くスタッフ一人ひとりが追いかけられる、具体的で測定可能な「行動目標」に分解する方法について、書いていきます。

なぜ「具体的な数値目標」が必要なのか?(おさらい)

その前に、なぜ「頑張ります!」だけの精神論ではダメなのか、簡単におさらいしますね。 「名刺をたくさん集める」「多くの人に声をかける」といった漠然とした目標では、チームの力が分散し、展示会後の成果も「なんとなく良かった」「悪かった」という曖昧な感想で終わってしまいます。 具体的な数値目標があることで、準備段階から会期後まで、全ての行動に「軸」ができ、客観的な評価と次への改善が可能になるのです。

ステップ1:最終目標を分解し、「行動目標」を設定する

ここからが本題です。 もし、皆さんが定めた「最終目標」が、登るべき“山の頂上”だとしたら、これから設定する「行動目標」は、頂上へ至るまでにある“〇合目”という道しるべのようなものです。一つひとつの道しるべをクリアしていくことで、チームはモチベーションを保ちながら、着実に山頂に近づいていくことができます。

では、展示会における「行動目標」には、どんなものがあるでしょうか? カテゴリー別に例を挙げてみますね。

  • ①リード獲得に関する目標:
    • 名刺交換の総枚数:150枚
    • うち需要のあるお客様(Aランク)の名刺:30枚
  • ②ブース内での行動に関する目標:
    • 製品デモンストレーションの実施回数:30回
    • 具体的な仕様や価格についての商談件数:15件
  • ③次のアクションに繋げる目標:
    • 後日の訪問アポイントを獲得した件数:10件
  • ④会期後の行動に関する目標:
    • Aランクのお客様への、会期後3日以内の電話フォロー実施率:100%

これらの項目の中から、自社の「最終目標」達成に最も貢献するものをいくつか選び、具体的な数字を設定していきます。

ステップ2:目標を「SMARTの法則」でチェック

設定した「行動目標」が、本当に効果的で、達成可能なものになっているか。それをチェックするためのツールが、ビジネスフレームワーク「SMARTの法則」です。 一つひとつの目標が、この5つの要素を満たしているか、確認してみましょう。

  • S (Specific):具体的か?
    • ×「多くの人に声をかける」
    • 「〇〇業界の設計担当者に声をかけ、製品Aのデモに誘導する」
  • M (Measurable):測定可能か?
    • ×「良い反応を得る」
    • 「Aランクの名刺を30枚獲得する」
  • A (Achievable):達成可能か?
    • ×「アポイントを100件取る!」(1小間ブースでは非現実的かも…)
    • 「10件のアポイント獲得を目指す」(過去の実績やブースの規模から設定)
  • R (Relevant):最終目標と関連しているか?
    • × ただ名刺をたくさん集める
    • 最終目標である「新規代理店契約」に繋がりそうな企業の担当者の名刺を集める
  • T (Time-bound):期限が明確か?
    • ×「いつかフォローする」
    • 「会期後24時間以内にお礼メールを送る」

この「SMARTの法則」に照らし合わせることで、目標がより現実的で、行動しやすい形に磨き上げられます。

実践例:すべてを繋げてみよう!

それでは、これまでのステップを一つのストーリーとして見てみましょう。

  • 最終目標: 「展示会後半年以内に、製品Aの採用事例を3件作る」
  • 分解した行動目標:
    • 「製品Aの採用が見込める〇〇業界の技術者の名刺を、3日間で30枚獲得する」
    • 「ブースで製品Aのデモを、1日あたり10回(計30回)実施する」
    • 「デモを見た方のうち、10件の具体的な技術相談に繋げ、後日訪問のアポイントを獲得する」

どうでしょう?こうすれば、「採用事例を3件作る」という大きな山の頂上に向かって、チーム全員が「今日はまずデモを10回やろう!」「技術相談に繋げるぞ!」と、日々の具体的な一歩を踏み出せるようになりますよね。

まとめ

展示会で確実に成果を出すためには、「最終目標」を具体的な「行動目標」にまで落とし込むことが不可欠です。

「なんとなく」や「頑張ります!」という精神論から卒業し、行動目標という明確な地図を持つこと。それこそがあなたの会社の展示会を成功へと導く、最も確実な道筋です。

そして設定した目標は必ずチーム全員で共有し、バックヤードに張り出すなど「見える化」するのを忘れないでくださいね。それがチームの一体感とモチベーションを最大限に引き出します。

ぜひ今回ご紹介したステップで次の展示会の目標を設定してみてください。チームの動きが変わるのを、きっと実感できるはずです。

今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子

展示会活用アドバイザー展活
1975年 大阪市生まれ。1998年家業マルワ什器入社。2001年、26歳のときに売上の95%以上を占める得意先が倒産する、という人生の試練を経験。連鎖倒産の危機を回避し家業を立て直す過程で多くの展示会現場に携わる。これまで関わってきた1000件を超える展示会経験を元に2012年展示会情報サイト「展活」を開設。2013年からは展示会セミナーの講師として活動開始。登壇回数300回以上、指導人数10,000人以上の実績。展示会初出展企業にも具体的でわかりやすい指導が好評を得ている。初の著書『展示会を活用して新規顧客を獲得する方法』好評発売中。
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