すごいですね!で終わらせない先進技術の伝え方
おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。
8月に入りました。各地で水不足が深刻なのですね。心配です。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。
自社の技術ではなく、お客様の「未来」を語ろう
「先進的・革新的・独創的なニッチ技術を、展示会でPRし、受注につなげるにはどうすればいいのでしょうか?」 特に高い技術力を持つ中小企業の経営者の方からこのような質問をいただくことがあります。
高い技術をお持ちの会社ほど陥りがちなワナがあります。 それは「すごいでしょ」的な展示です。
もの珍しさから、来場者は足を止めてくれます。熱心に技術の素晴らしさを説明すると、目を輝かせてこう言ってくれるでしょう。 「すごい技術ですね!」 …しかし、会話はそこで終わってしまい、名刺交換や具体的な商談にはなかなか至らない。そんな経験はありませんか?
なぜ「すごいですね!」で終わってしまうのか。 それは、その技術の「すごさ」が、お客様にとっての「嬉しさ(便益)」に、言葉の上で変換されていないからです。

今日は、その「すごい技術」を「欲しい!」と思わせる、“商談に進む”伝え方について、具体的なステップでお話しします。
「すごい技術」を「欲しい価値」に変換する4ステップ
技術の“自慢話”からお客様の“問題解決ストーリー”へと、伝え方を変えるための具体的な4ステップをご紹介します。
STEP1:自社の「技術」ではなく、お客様の「お困りごと」から始める
最初に伝えるべきは高い技術の説明ではありません。 「この技術がなければ、お客様はどんなことで困っているのか?」という、お客様が抱える“痛み”や“課題”への問いかけからスタートするのです。まず、相手に「これは、自分のことだ」と気づいてもらうことが何よりも重要です。
STEP2:解決策として、自社の「革新的な特徴」を提示する
次に、「そのお困りごとは、当社のこの“革新的な特徴”が解決します」と、お客様の課題と自社の技術を、解決策として直接結びつけます。ここで初めて、あなたの技術が登場します。
STEP3:その技術がもたらす「嬉しい未来(便益)」を描く
これこそが、「すごいですね!」から「ぜひ詳しく!」へ会話を転換させるための、最重要ステップです。 「その結果、お客様のビジネスは具体的にこう変わります」という“嬉しい未来”を、コスト削減、時間短縮、品質向上、新製品開発といった、お客様が使う言葉で具体的に描きましょう。
STEP4:信頼を高める「証拠」を添える
最後にその“嬉しい未来”が絵に描いた餅ではないことを示す、客観的な「証拠」を添えて主張を裏付けます。導入実績、お客様の声、特許、共同研究先の大学名など、信頼性を高める情報を加えましょう。

「すごい技術」から「欲しい解決策」へ(ビフォー・アフター)
この4ステップを使うと、伝え方がどう変わるのか。見てみましょう。
- Before(「すごいでしょ」な伝え方):
独自製法による世界初のナノカーボン被膜。硬度9H、耐熱温度500℃を実現した革新的コーティング技術です
→来場者の反応:「へぇ~、すごいですね!」(で、会話が終わりがち) - After(問題解決型の伝え方):
【摩擦や熱による部品の頻繁な交換で、生産ラインが止まっていませんか?】(STEP1) 当社の世界初のナノカーボン被膜は(STEP2)、部品の寿命を劇的に延ばし、交換コストを70%削減、突発的なダウンタイムを防ぎます。(STEP3) 実際に、大手自動車部品メーカー〇〇様との共同開発で、その効果は実証済みです。(STEP4)
→来場者の反応:「ぜひ、詳しく聞かせてください!」(と、商談が始まる!)
まとめ
先進的な技術をPRする際の秘訣。それは、技術の「すごさ」そのものを語るのではなく、その技術がもたらすお客様の「未来」を語ることです。
「すごいですね!」は、興味のサイン。 「ぜひ、詳しく聞かせてください」は、商談のサインです。
あなたの素晴らしい技術は、ただ感心されるだけで終わるべきではありません。ぜひ、この4ステップを使って、来場者からの“賞賛”を、未来の“受注”へと変えていってください。
今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子

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