AIの普及でネット検索は変わってゆくのか?

おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。

昨日はこの時期らしい快晴でした。動くと暑く感じましたね。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。

生成AI時代「検索」は減る?

5月28日(水)~29日(木)マイドームおおさかで開催中の「マーケティングテクノロジーフェア大阪」「イーコマースフェア大阪」「コールセンター/CRMデモ&コンファレンス」を見学してきました。後日あらためてレポ記事を書きます。今日はとても勉強になったセミナーについて書きたいと思います。

そのセミナーとは、「AIが変える情報検索の未来~転換期を迎えるネット検索~」と題された、(株)Digital Evangelist代表で日本経済大学教授の金谷さんによる講演。 まさに今、私たちウェブサイト運営者が気になっている「AIと検索のこれから」についてのお話でした。

検索市場と生成AIの現状

まず語られたのは、現在の「検索市場の現状」について。 検索エンジンと言えばGoogleが依然として圧倒的なシェアを誇っています。ただ、アメリカの裁判の状況次第では、このGoogle一強の独占状態に変化が訪れる可能性もゼロではない、とのこと。市場の動向は常に注視が必要ですね。

そして、今やその勢いが止まらない「生成AIの進化」。 ChatGPTが市場を席巻しているかと思いきや、実はGoogleのGeminiアプリも利用者数は約4億人と、ほぼ同規模にまで成長しているというお話には驚きました。 こうした生成AIの登場によって、私たちが情報を得るプロセスも大きく変わろうとしています。これまで何度もキーワードを変えて検索を繰り返してようやく辿り着いていた情報に、たった1回のAIとのやり取りで到達できるようになる…そんな状況が現実になっています。

実はGoogle検索もAI 検索件数自体は減らない?

さらに「実は、Google検索はすでに”AI検索だったんですよ」という、指摘がありました。 気づいていないうちに、Googleは検索エンジンに以前から多くのAI技術を投入しており、最適化を図ってきました。そしてAI側もユーザーの要望に答えるため大量に検索を行っています。

よく「若い人は検索しなくなった」なんて言われますが、これも誤解だそう。 Z世代はどの世代よりも検索という行為をしており、私たちが普段使うようなキーワード検索だけでなく、Googleレンズを使った画像検索(昨対比でなんと65%も成長!)や、スマホ画面の情報をなぞって検索する「かこって検索」(若い世代の10%が利用)といった、新しい検索方法も積極的に活用しているとのこと。 結果として、トータルで見れば検索という行為そのものは今後も増えていくという予測でした。

AI概要からの高品質なクリック

「ではなぜ、それだけAI技術を持っているGoogleが、一気に検索のすべてをAIに置き換えないのか?」 その理由について、「AI検索における広告収入の収益化モデルが、まだ完全には確立されていないから」とのこと。

一方で、非常に興味深かったのが、現在のGoogle検索結果に表示される「AIによる概要」からウェブサイトへクリックしてくるユーザーの行動です。こうしたクリックは、サイト内での滞在時間が長いなど、非常に質が高いと評価されているそうです。これは、AIが事前に情報を整理し、ユーザーの疑問にかなり近い答えを提示した上で誘導するため、ユーザーの満足度が高い状態でサイトを訪れるからかもしれません。

AIに見つけてもらうページ作りが鍵!

このような検索環境の変化の中で、私たちウェブサイト運営者はどうすれば良いのでしょうか?それは AIに見つけてもらいやすいページを作ることが重要になる、と感じました。

ただし、懸念される点も。 「AI概要」でユーザーの疑問がある程度解決してしまうと、ウェブサイトへの直接的なトラフィック自体は減ってしまう可能性も否定できないとのこと。特に、「情報を集めて掲載し、SEOで集客して広告収入を得る」といったビジネスモデルは、今後ますます厳しくなっていくかもしれません。

しかし、希望もあります。先ほども触れたように、AI自身も大量の検索を行います。ですから、従来通りの検索エンジンへの対応も、引き続き重要であるということでした。

Google検索の本質「一次情報」と「独自性」

そして私が最も共感し、勇気づけられた結論。それは…

「捜している人が、本当に探している答えにふさわしい情報を、分かりやすく掲載しているサイト・ページが、これからも選ばれ続ける」

ということ。 そのために不可欠なのが、コピーペーストではない「一次情報」であり、他にはない「独自性」です。

つまり、検索のインターフェースや表示方法、使われる技術がどれだけAIによって進化しようとも、「Googleが目指す“本質”は変わらない」ということなんですね。

展活的視点からの気づき

セミナーを拝聴し、AIが進化すればするほど、結局は「誰に、何を、どう伝えるか」が情報発信の“基本”であり“本質”が問われるのだな、と改めて強く感じました。

小手先のテクニックではなく、本当に価値のある、オリジナリティあふれる情報を、手間ひまを惜しまずに丁寧に作り上げること。そして、それを「一番伝えたい人」に、分かりやすく、誠実に届けようと努力し続けること。 これこそが、変化の激しいAI時代においても、私たちが変わらずに持ち続けるべき姿勢なのだと、背中を押していただいたような気がします。

まさに、私が展活でお伝えしている「出展コンセプトを明確にしましょう!」「伝えたい人を明確にし、その人に響くメッセージを考えましょう!」という内容の重要性が、形を変えてここでも問われているのだと、深く納得しました。

まとめ

この講演を聞いた上での結論は、検索は変わる、けれど私たちがやるべきことは変わらない、ということ。本当に大切なのは「良質なオリジナルコンテンツ」と、「ユーザー(検索者)の役に立ちたいという誠実な気持ち」だということです。

これからも最新の情報にはしっかりとアンテナを張りつつ、変わらない「本質」を見失うことなく、価値ある情報発信に取り組んでいきたいと思います。展示会自体のレポートもまた後日アップしますので、そちらもよろしくお願いします。

今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子

展示会活用アドバイザー展活
1975年 大阪市生まれ。1998年家業マルワ什器入社。2001年、26歳のときに売上の95%以上を占める得意先が倒産する、という人生の試練を経験。連鎖倒産の危機を回避し家業を立て直す過程で多くの展示会現場に携わる。これまで関わってきた1000件を超える展示会経験を元に2012年展示会情報サイト「展活」を開設。2013年からは展示会セミナーの講師として活動開始。登壇回数300回以上、指導人数10,000人以上の実績。展示会初出展企業にも具体的でわかりやすい指導が好評を得ている。初の著書『展示会を活用して新規顧客を獲得する方法』好評発売中。
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