展示会選び方 狙うは“勢いのある”ジャンル

おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。

今週は梅雨の中休みで一気に夏になりそう。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。

おすすめの展示会ってありますか?

展示会活用アドバイザーとして活動している中でよくいただくご質問。それは、「大島さん、おすすめの展示会ってありますか?」 という、とてもシンプルで、そして本質的な問いです。

販路開拓に繋がるなら、成果が出るなら、どんな展示会に出るべきか知りたい。その切実な気持ちはとてもよく分かります。 もちろん、最終的な答えは、会社ごとの目的やお会いしたいお客様によって変わります。でも、もし今、私がたった一つだけ「ここを狙うべき」という共通の視点を挙げるとするならば…

それは、“今、勢いのあるジャンル”の展示会に出展することです。 今日の記事では、その理由と、具体的にどんなジャンルなのか、そして最も重要な“考え方”についてお話しします。

なぜ「勢いのあるジャンル」の展示会を狙うべきなのか?

なぜ、勢いのあるジャンルなのでしょうか? その理由は明快です。「課題解決に本気で、モチベーションの高い来場者が集まっているから」です。

勢いのある業界は、まさに今、大きな変化の渦中にあり、解決すべき喫緊の課題を抱え、そこに投資が行われます。 そのため、そうした展示会に来場する方々は、単なる情報収集や「何か面白いものないかな~」という姿勢ではありません。「自社のこの課題を解決してくれる、良い技術や製品はないか?」と、高い目的意識と真剣さを持って、会場を歩き回っているのです。

そうした“本気”の来場者との出会いは、質の高い商談に繋がりやすく、出展の成果を大きく左右します。だからこそ「勢いのあるジャンル」をおすすめするのです。

今、勢いのある5つのジャンル

では、私が「今、勢いがある」と感じている具体的なジャンルを5つご紹介します。

  1. 人手不足対策(自動化・省人化) 日本の喫緊の課題である人手不足を背景に、自動化装置、産業用ロボット、業務効率化を実現するDXツールなどの分野は、常に高い注目を集めています。例:FOOMA、ロボットワールド
  2. カーボンニュートラル/GX(グリーン・トランスフォーメーション) 世界的な環境意識の高まりを受け、持続可能な社会への要請は待ったなし。植物由来などの自然由来素材、スマートエネルギー関連技術、省エネ設備、サーキュラーエコノミーに貢献するリサイクル技術など。例:スマートエネルギーweek
  3. 半導体関連 AI、EV(電気自動車)、5Gなど、あらゆる先端技術を支える基幹産業。製造装置、検査機器、関連素材など。例:SEMICON Japan
  4. 医療・介護・ウェルネス 超高齢社会の到来と、健康寿命の延伸への関心の高まりから、市場は拡大の一途。医療機器、介護ロボット、見守りシステム、予防医療など。例:バリアフリー、SPORTEC
  5. 多様性(ダイバーシティ)関連  個々の価値観やライフスタイルの尊重から、新しい市場が次々と生まれています。熱狂的な市場を生み出す「推し活」関連グッズやサービス、性別の垣根を取り払った「ジェンダーフリー」なアパレルやコスメ、多様な家族観に対応した製品など。例:推し活EXPO、Tokyo Pride

どうすれば自社を“絡められる”か?

さて、ここからがこの記事で私が一番お伝えしたいことです。 「なるほど、でも、うちはロボットも作ってないし、半導体メーカーでもないし、推し活グッズも…」 そう思われた方もいるかもしれません。

でも、そこで思考を止めないでください。大切なのは、これらの勢いのあるジャンルに、自社の製品・技術・サービスをどうにかして“絡められないか?”と考えてみることなんです。

例えば、あなたの会社が…

  • 金属の精密加工が得意なら… 「この技術はロボットや医療機器の精密部品として応用できないだろうか?」
  • コーティング剤を開発しているなら… 「このコーティング剤は、GX分野での効率を上げるためや、医療・介護分野で衛生的に保つための表面処理として提案できないか?」
  • 印刷技術や縫製技術に強みがあるなら… 「小ロット対応できる強みを活かして推し活でファンが作るオリジナルグッズの製作サービスとして展開できないだろうか?」
  • シンプルな雑貨を作っているなら… 「パッケージやプロモーションの視点をジェンダーフリーに見直すことで、これまでとは違う新しいお客様層にアプローチできないだろうか?」

この「どう絡めるか?」という視点を持つだけで、これまで全くの無関係だと思っていた市場や、出会えるはずのなかったお客様の層が、一気に目の前に広がってくる可能性が出てくるのです。

まとめ

「おすすめの展示会はどこですか?」 この問いへの私の答えをまとめます。それは、「今、勢いのあるジャンルであり、自社の強みを絡めることで新たなビジネスチャンスを掴める可能性のある展示会」です。

自社の技術やサービスの棚卸しをし、「人手不足」「GX」「半導体」「医療・介護・健康」「多様性」といったキーワードを頭の片隅に置きながら、展示会情報を眺めてみてください。展示会情報はこちらのサイトなどで網羅されています。

ビジネスの本質は課題解決です。ということは今、問題となっている社会課題を解決できるのであれば、需要があるということです。例に挙げたジャンル以外にも“あなただから”役に立てる社会課題の解決策がきっとあるはず。探してみてくださいね。

今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子

展示会活用アドバイザー展活
1975年 大阪市生まれ。1998年家業マルワ什器入社。2001年、26歳のときに売上の95%以上を占める得意先が倒産する、という人生の試練を経験。連鎖倒産の危機を回避し家業を立て直す過程で多くの展示会現場に携わる。これまで関わってきた1000件を超える展示会経験を元に2012年展示会情報サイト「展活」を開設。2013年からは展示会セミナーの講師として活動開始。登壇回数300回以上、指導人数10,000人以上の実績。展示会初出展企業にも具体的でわかりやすい指導が好評を得ている。初の著書『展示会を活用して新規顧客を獲得する方法』好評発売中。