その出展のやり方、アリorナシ?

おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。

相変わらず暑い日が続きますが、明るくなる時間が遅くなってきて、季節が変わって来ていることは感じます。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。

展示会の価値を守るために、出展社が考えるべきこと

展示会の最大の目的は見込み客と出会い、受注に繋げること。これは展活の基本でです。

しかし、展示会がもたらしてくれる価値は、それだけではありません。 市場調査などのマーケティング、外注先や仕入先といった協力会社探し、未来を担う人材採用、そしてテレビや新聞に取り上げられるPR効果など、様々な副次的な効果が期待できます。

ではこれらの「受注以外」を主目的にした出展は、果たして“アリ”なのでしょうか、それとも“ナシ”なのでしょうか? 今日はこの少しデリケートなテーマについて、私なりの考えをお話ししたいと思います。

これは「アリ」!展示会の可能性を広げる、多様な出展

結論から言うと、受注以外を目的とした出展にも、「アリ」なものはたくさんあります。

例えば、マーケティング目的の出展。 開発中の製品を展示し、来場者から率直な感想や改善のヒントをいただく。これは未来のヒット商品を生み出すための価値ある出展です。もちろん大いに「アリ」です。

あるいはパートナー探し目的の出展。 「当社のこの技術とコラボしませんか?」「〇〇の加工先を探しています」といった、技術パートナーや協力会社を探すための出展も、様々な出会いを生む可能性を秘めており、これも「アリ」と言えるでしょう。

「採用目的」の出展、その微妙な境界線

ではチラホラと目にする「採用目的」の出展についてはどうでしょうか。 新卒採用が非常に困難な今、多くの学生が訪れる展示会を採用の場として活用したい、というお気持ちは痛いほどよく分かります。

ですが、もしそのブースが自社の製品・技術・サービスをほとんど見せず、学生さんが好みそうなお菓子を配ったり、ゲームのようなイベントを行ったりして「うちは働きやすい会社ですよー」というメッセージばかりを訴求していたとしたら…。

私は、それは“ナシ”だと考えます。

なぜなら、それは、真剣にビジネスの課題解決の場として来場している他の大多数の来場者や、真摯に技術をPRしている他の出展社に対して、失礼にあたるからです。そして何より、そうしたブースが増えることは、展示会全体の質を低下させ、長期的には業界や地域全体の損失に繋がってしまうからです。

では、どうすれば「アリ」になるのか?

採用目的の出展が「アリ」になるための、たった一つのシンプルな答え。 それは、自社の製品・技術・サービスを通じて、学生に「この会社で働くって、おもしろそう!」と思ってもらうことです。

学生さんにも分かるように自社の技術のすごさや、仕事のやりがいを伝える。そのための体験コーナーや、分かりやすい展示を工夫する。技術力の高い企業ほど、この「分かりやすく伝える」という作業は大変です。しかし、それこそが、展示会という場で採用活動を行う際の、唯一正しい姿勢だと私は信じています。

まとめ

お菓子やゲームで学生を惹きつけるのではなく、ワクワクする技術で未来のエンジニアの卵を惹きつける。目指すべきは、後者です。

展示会という「場」の価値は、出展する私たち一人ひとりの意識によって創られています。その価値を皆で守り育てていく。そんな視点を持ちながら自社の出展目的を考えてみていただけると嬉しいです。

今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子

展示会活用アドバイザー展活
1975年 大阪市生まれ。1998年家業マルワ什器入社。2001年、26歳のときに売上の95%以上を占める得意先が倒産する、という人生の試練を経験。連鎖倒産の危機を回避し家業を立て直す過程で多くの展示会現場に携わる。これまで関わってきた1000件を超える展示会経験を元に2012年展示会情報サイト「展活」を開設。2013年からは展示会セミナーの講師として活動開始。登壇回数300回以上、指導人数10,000人以上の実績。展示会初出展企業にも具体的でわかりやすい指導が好評を得ている。初の著書『展示会を活用して新規顧客を獲得する方法』好評発売中。