出展目的が明確になる“4つの質問”

おはようございます^^
自社の問題解決力を見える化し展示会を成功に導く、展示会活用アドバイザーの大島節子です。

週間天気予報が酷暑日マークばかりでクラクラ…。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。

「なんとなく」を「必達目標」に変える思考法

展示会の準備を進める中で、ふと、「うちの会社、そもそも何のためにこの展示会に出るんだっけ…?」と、目的が曖昧になっていることに気づく…そんな経験はありませんか?

「新規顧客の開拓」や「売上アップ」といった、漠然とした目的だけでは、効果的なブース作りも、展示会後の成果の測定も難しくなってしまいます。 今日はそんな“曖昧な目的”を具体的な“必達目標”に変えるための、思考プロセスをご紹介します。

スタート地点は「展示会」ではなく「会社の今」

目的を明確にするための第一歩は、意外かもしれませんが、一度、展示会のことを忘れることです。 まず考えるべきは、「今のあなたの会社が抱える経営課題は何か?」ということ。

  • 売上が伸び悩んでいるのか?
  • 新しい業界に参入したいのか?
  • ブランドの知名度が低いのか?
  • 一社依存率を下げたいのか?
  • 新製品を開発したので、市場の反応を見たいのか?

展示会は、あくまでその経営課題を解決するための“手段”の一つ。会社の本当の課題と繋がっていない出展は、残念ながら成果には結びつきにくいのです。

目的を具体化する4STEP

会社の課題が明確になったら、いよいよ目的を具体化していきます。この4つのステップで、ぜひ自問自答してみてください。

STEP1:課題解決のために「誰に」会うべきか?

その経営課題を解決してくれるのは、一体どんな人でしょうか? 「新規顧客」というだけでは、まだぼんやりしています。もっと具体的に、会いたい人の顔を思い浮かべてみましょう。

  • 業種・業界は?(例:自動車業界、食品業界)
  • 職種・役職は?(例:開発担当者、製造技術者、購買部長、経営者)
  • 企業の規模は?(例:大手企業、中小企業)

「誰に会いたいか」が具体的にイメージできれば、その人たちが集まる場所、つまり出るべき展示会や、ブースで伝えるべきメッセージもおのずと見えてきます。

STEP2:その人に「どうなってほしい」か?

会いたい人にブースで会えたとして、その人に最終的にどんな行動をとってほしいですか?これが、今回の展示会での短期的な「ゴール」になります。

  • 見積もり依頼をしてほしい
  • サンプルを請求してほしい
  • 後日、工場見学や商談のアポイントを取りたい
  • 製品デモの申し込みをしてほしい
  • 会社のファンになり、継続的に情報を受け取ってほしい

このゴールが明確であればあるほど、ブースでの声のかけ方や、お渡しする資料の内容も変わってきます。

STEP3:ゴールを「数字」で測れるようにする

次に、設定したゴールを、誰が見ても達成度が分かる具体的な「数値目標」に落とし込みます。

例えば、

  • 「新規顧客を見つける」という曖昧な目的は… →「自動車業界の設計担当者の名刺を100枚獲得し、そのうち10件の訪問アポイントに繋げる」という明確な目標に。
  • 「売上を上げる」という曖昧な目的は… →「新製品Aの見積もり依頼を20件獲得し、その中から3件、年内に成約させる」という明確な目標に。

こうすることで、展示会後に「成功だったか、失敗だったか」をきちんと評価し、次への改善に繋げることができます。

STEP4:目的を「一文」で言えるようにする

最後に、ステップ1~3で考えたことを元に、今回の出展目的を一文で言語化してみましょう。

「今回の出展目的は、(STEP1:どんな課題を持つ、どんな人に)会い、(STEP2:どんな行動をしてもらう)ことで、最終的に(STEP3:どんな成果を数値で得る)ことです」

この一文を、社長から担当者まで、展示会に関わる全員がスラスラと言える状態が理想です。

目的が明確になると、全てが変わる

この4ステップを経て出展目的が明確になると、驚くほど展示会準備のすべてが変わります。

  • 心に刺さるキャッチコピーが作れる(誰に何を伝えたいかが明確だから)
  • 展示物が決まる(目的達成に必要なものだけに絞れるから)
  • ブースに立つ説明員に自信がつく(全員が同じ目標を共有し、自信を持って接客できるから)
  • 成果測定ができ、次に繋がる(目標との差が、具体的な改善点になるから)

まとめ:明確な目的こそ、展示会成功への羅針盤

展示会で大きな成果を出すために最も重要なこと。それは、最新の機材でも、豪華なブースでもありません。準備を始める前の「目的の明確化」です。

「なんとなく」の出展から卒業し、明確な目的という名の「羅針盤」を持って、展示会という大海原へ漕ぎ出しましょう。きっとあなたの会社を導いてくれるはずです。

今日もお読みいただきありがとうございます。

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大島 節子

展示会活用アドバイザー展活
1975年 大阪市生まれ。1998年家業マルワ什器入社。2001年、26歳のときに売上の95%以上を占める得意先が倒産する、という人生の試練を経験。連鎖倒産の危機を回避し家業を立て直す過程で多くの展示会現場に携わる。これまで関わってきた1000件を超える展示会経験を元に2012年展示会情報サイト「展活」を開設。2013年からは展示会セミナーの講師として活動開始。登壇回数300回以上、指導人数10,000人以上の実績。展示会初出展企業にも具体的でわかりやすい指導が好評を得ている。初の著書『展示会を活用して新規顧客を獲得する方法』好評発売中。
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